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「なっ、なんっ」
「起きたか。遅せぇよ」
「え、すみません……？」
私が悪いのかな今のは。それより何故芹葉さんが私に膝枕をしているんだ。本当にどう言う状況なんだ。
「彩摘……だったな。あいつは帰った。政府の準備が整ったらしくてな。順々に帰ってってる」
「あ、そうなんですか……」
「で、今残ってんのは俺とお前と天葉」
「月永さんも帰ったんですね」
「おう。……んで、お前、この後天葉の本丸行くんだろ？」
「……あ、そうだった」
「次帰んの、天葉なんだよ。一緒に行かねぇとだろ？……で、彩摘は寝たまんま勝手に帰されたが……流石にお前はそうもいかないだろ、だから起こしに来たんだよ俺が」
「……ありがとうございます、でも何で膝枕」
「悪ぃ、実家の妹思い出してつい」
「完全に私情ですね……」
淡々とした会話を繰り返し、やっと状況を理解した。
私が起き上がり、そのまま立ち上がって歩き出すと、芹葉さんも後ろからついてきた。
「なぁ」
「はい？」
「偶には……俺の本丸にも遊びに来いよ」
「勿論、行きますよ。芹葉さんのとこの短刀達の可愛さ異常ですから、癒されに」
「そうかよ。……ま、拘束されんのは勘弁だったが、お前ともこうして久々に会ってちゃんと話せて良かったわ」
「何ですか、藪から棒に。……デレ期ですか？明日の現世は天変地異起こるんじゃないですか」
「おい」
軽口を叩ける、唯一の先輩。
私にとっての、唯一の先輩。
実際、芹葉さんの本丸にしか研修行ってないから当然と言えば当然なんだけど。
でもまぁ確かに、久しぶりにこうして話せてよかったのかもしれない。ほぼ誘拐同然で連れてこられて始まったとか言っていた【第1回】よりかマシだと思うし、そこそこ話し合いもできたと思う。
……こんのすけが言っていたあの話は、幻であればいいなと思っているけれど。
大広間につくと、既にゲートは開いてて、天葉くんと金霧さんが待っていた。
「細雪さん！」
「ごめんごめん」
「じゃ、またな。細雪、天葉」
「そのうち会いに行きますね、芹葉さん！」
金霧さんは無表情のまま「どうぞ」とゲートを指し示す。
私は天葉くんとそのゲートをくぐる。
こうして私達の審神者会議は終了した。
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2018年7月10日 20時
