幕間 見習い"翡翠" ページ23
*
結局、APCの件は流れた。何せ、宣言通りに翡翠ちゃんがやって来たのだ。
しかも。
「お久しぶりです、依馬さん」
喋り方が普通になってる。
やっぱ普通に喋れんじゃん。そっちの方がいいよ、結構ガチで。ついでに直してきたってことは更生したってことでいいんだよな？呪具とか持ち込んでないよな？
「……久しぶり、うちの本丸も刀剣男士もあげないよ」
「溜めに溜めて第一声それですか……？」
「この前のアレがあるから、あの薬研くらいは狙ってるかと思って」
「え？狙って良かったんですか？」
「処すよ」
「処すって、何する気ですか？」
そんなの初めて聞かれたんだけど。
「おい、主を困らせるな見習い」
「あ、やまさん」
「ちょっと気になっただけです」
「主の処すは冗談じゃない。ボディーブローは覚悟しろ」
「えっ、物理……？」
見習いに何教えてるんだよ。私そこまで鬼じゃないよ。一、二時間の説教コースだよ。嘘言うなってば。
「お？お前さん、いつぞやの見習いじゃねぇか」
そうしてこのタイミングで現れる薬研な。タイミング良すぎな。
「薬研藤四郎様」
「様？良いよ今更、薬研って呼んでくれや」
「……イケメン……」
「はは、そう言うのは心中に留めてくれ」
「私絶対、審神者になれたら1番にあなたを呼びます」
「俺っちに恵まれるといいな？ま、凡庸な短刀だし、すぐに出るとは思うが」
前から思ってたけど翡翠ちゃんって絶対乗っ取りに向いてない。だって惚れっぽそうじゃん。こんなに見目だけは無駄に麗しいような奴らばっかりなのに、薬研にしか言いよってる素振りはなかったし。
多分これ、普通に薬研に惚れたな。
「じゃあ基本的な仕事は教えるけど。研修期間が確か一ヶ月って聞いたし……その間は薬研に任せる」
「しっかりと見習いの面倒見るから安心してくれ！」
「うん、そして離れには呉々も近づかないように」
「え？じゃあ私の部屋は……」
「翡翠ちゃんは客間。私の部屋の隣」
今まで一体いくつの本丸に見習いとして行ったのかは知らないけど、基本離れに通されていたんだろう。残念ながらうちの離れはやとがいるから無理なんだけど。
私以外が離れに近づいたら、やと、普通に己を振り上げるしな。
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サユリ(プロフ) - はい。楽しみにしているので、更新頑張って下さいね！ (2018年4月22日 13時) (
レス) id: c69002fcba (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - サユリさん» コメントありがとうございます。更新頻度はマチマチですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2018年4月15日 7時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
サユリ(プロフ) - 凄く、面白いです！更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年4月15日 0時) (レス) id: c69002fcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2018年4月7日 21時
