case>>"梓" ページ2
*
それは突然のことだった。
初期刀で固定近侍の
何事かと書類を放り出して庭に向かうと、そこには驚き抱き合いながら涙を流す短刀たちと、ひどくボロボロながら必死にその背に誰かを庇い、普段から赤いその目をさらに赤く血走らせた加州清光がいた。
正確に言うと、あの加州清光は我が本丸の
「……うちの短刀泣かせたそこの加州清光処す？」
「あんたは鬼か」
「ブチギレ案件だよやまさん」
「落ち着け」
そんな会話の後、私はようやくその加州清光の後ろの人を認識した。
「……あれ？」
「どうした主」
とりあえず短刀たちを自分の後ろにやって、抱きついてくる子はそのままに私は彼女の名を呼んだ。
「えっと、梓……だよね？」
「……『梓』？」
私とやまさんの声を聞いてか、加州清光の後ろから飛び出したその影は、その勢いのまま思いっきり私に飛びついた。
「依馬……っ！」
「あぶ、危なっ!?ちょ、梓!?」
私の後ろに抱きついていた短刀たちとやまさんに支えられ、何とか持ち堪えると、梓は私に抱きついたままわんわんと大号泣し始めた。
その様子を見た加州清光が、ようやく血走った目が落ち着き、鞘にかけていた手を下ろし、近付いてきた。
「……あんたが、主の言ってた『依馬』？」
「確かに私は依馬だけど……凄い偉そうな加州清光だね処す？」
思わず笑顔のまま口から零れた。
「主」
「いや冗談。冗談じゃないけど冗談だから」
そんな風に適当に言葉を並べて梓の頭をぽんぽんと軽く撫でると、梓はさっきより強く抱き締めてきた。
私知ってるんだよ。あんた見習い時代の筋力検査SS+だっただろこのゴリラめ。痛い、痛いから離して梓、私死んじゃうよ。
「梓ぁ……」
私が泣きたいよ、筋力弱くて抵抗出来ないんだって……。
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サユリ(プロフ) - はい。楽しみにしているので、更新頑張って下さいね！ (2018年4月22日 13時) (
レス) id: c69002fcba (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - サユリさん» コメントありがとうございます。更新頻度はマチマチですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです！ (2018年4月15日 7時) (レス) id: 5f1947d42c (このIDを非表示/違反報告)
サユリ(プロフ) - 凄く、面白いです！更新頑張って下さい。応援してます。 (2018年4月15日 0時) (レス) id: c69002fcba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2018年4月7日 21時
