キレた。

やり直せる、やり直そう 2 ページ33

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「それで、国見ちゃん。自主練も良いけど話を聞かせてくれる？」


「…何のですか」


「分かってるでしょ？」


「……分かりたくもないですけど」


「国見ちゃん辛辣!!…じゃなくて！どうだったの？連れて来るんじゃなかったの？」


「…普通に考えてくださいよ。俺が、先輩を、連れ戻せる訳ないじゃないですか」


「ふーん…？じゃあ、今度は俺が行こうかな。あの子を連れ戻すには、やっぱり部長で主将の俺が行かなきゃ。でしょ？岩ちゃん」


「…あぁ、そうだな」


「岩泉さん本気ですか」


「…何がだよ？」


「…知ってるくせに、何で知らないふりして目を逸らすんですか」



つい昨日まで、この人たちと同じだった俺が言えたことではないけど。

でも、それでも俺は変わろうと思った。
先輩が見ててくれると言ったから。

やり直そうと思った。
やり直せると思ってる。


それに俺は、1人じゃない。
独りぼっちのクーデターじゃない。



「……国見の意見、その通りじゃないかって俺は思います」



それは、矢巾さん。
先輩に会いに行った、矢巾さん。



「矢巾までどうしたんだよ」



花巻さんは、意味が分からないと言わんばかりに矢巾さんに向けて大きくため息をついた。



「…俺たちだけのマネージャー。俺たちだけのA。俺達のそばに置くことで、俺達は満足して、俺たちはきっと幸せに部活が出来るでしょうね」



矢巾さんは確かにそう言った。



「分かってるじゃん。元々、この部には俺たちの学年のマネが引退してから、マネージャーはあの子だけでも回ってたんだから」


「そうですね。アイツは1人でも今までやって来ました」


「だったらいいじゃん、あの子に戻ってきてもらえば」


「…でも俺、見てました。後輩が入ってきて、アイツが嬉しそうに笑ってたこと。」



それでも、しっかりとそう言った矢巾さんに、及川さんたちは言葉を詰まらせた。









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