やり直せる、やり直そう 1 ページ32
*
結局先輩によって毒気を抜かれて。
先輩を取り戻せはしないけど、俺はこれはこれでと満足していた。
明日も学校があるから、帰らないと。
その思いで、先輩に聞く。
終電は何時ですかと。
その問に、先輩は少し首をかしげて答えてくれた。
「終電も何も。夜行列車的なのもあるからそれで宮城まで帰れると思うけど」
「…ああ、そうですね。此処、都会ですもんね」
「うん、まあ。駅まで送ろうか」
「もう夜ですよ、俺は男で先輩は女です。大人しく家にいてください。…及川さんたちには、先輩の事、ちゃんと言っておきます。今回の俺みたいに、帰ったら居たとか怖いですもんね」
「まあ、普通はやらないだろうしね。とりあえず、都会は男でも危ないから。お父さんが送ってくれるって」
「申し訳ないです」
「良いから。国見に何かあったんじゃ、後味悪いし。…とりあえず、さ。国見も頑張りな。私は戻らないけど、見てるから」
「…はい」
先輩が好きだから。
「見ている」というそれが、どうしょうもなく嬉しかった。
見ててほしいと思った。
無気力ってよく言われるけど、先輩が見ていてくれるなら、きっと俺は頑張れる。
やり直せる。
先輩がいなくても、あの部はきっと。
やり直そう。
先輩が、見ていてくれるんだから。
＊
その思いはどんどん膨らみ、駅まで送ってもらって夜行列車に乗って、俺はもう、真夜中に宮城に戻って来た。
明日の朝練は、いつもよりも10分、早く行ってみようか、なんて。
ガラにもないことを考えながら、その日を終え、次の日はいつもより早く起きて、いつもより早く家を出た。
当然、いつもよりも着くのは早かった。
まだ数人しか来てなくて、準備が終わっていない。俺はそれを手伝いに行き、それが終わると軽くスパイク練習をした。
それから少しして来た及川さんたちが俺を見て、「国見が自主練習してる!!」と騒ぐのも、俺は無視してスパイクを撃った。
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西谷彩香(プロフ) - ?ルナ??さん» そう言って頂けて良かったです！ありがとうございます!! (2017年1月30日 22時) (
レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
?ルナ??(プロフ) - すっごい面白がったです！！泣きました！！ (2017年1月30日 21時) (レス) id: 4edd0d369a (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - ふじとーさん» ありがとうございます！そう言って頂けたなら光栄です！ありがとうございました！ (2017年1月28日 14時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
ふじとー(プロフ) - 泣いた。素晴らしい作品をありがとうございます。完結までお疲れ様でした！ (2017年1月28日 14時) (レス) id: 4901deebb9 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - マカロン♪@塩きゃらめるさん» いえ、コメントありがとうございます！何が普通かは、分からないところもありますが私なりの、ある意味でのハッピーエンドを目指しました。そう言って頂けて良かったです、ありがとうございました！ (2017年1月26日 23時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2017年1月20日 1時
