恐怖は突然に 4 ページ31
*
「…先輩の仲間は、俺たちで十分ですよね」
疑問形ではなく、断定系でそう言った国見の声が聞こえた。
少し距離ができたことで、恐怖が和らぐ。
「…そんなわけ、ないでしょ」
「、先輩？」
「むしろ、青葉城西高校の男バレの仲間なんて、私から願い下げる。…矢巾にも言ったはずなんだけど。私に関する何かを決めるのは私。国見、あんたたちじゃない」
キツイ口調になるのは、もはや仕方の無いことだった。
それで愕然としたのは、国見。
「…どうしてですか、俺たちじゃ、なんで俺たちじゃだめなんですか、先輩を信じなかったからですか、」
一番はそれだ。
分かっているのに、戻って来いと言う国見の気が知れない。
だけど、邦城が入って来てみんなが邦城の方に行く中、国見は「大変そうですね、いつもありがとうございます」と、休憩終了間近の時、そう言って私にボトルを押し付けてきた事がある。
「…ちゃんと見ていなかったのは、お互い様だったかもしれない。だけど私は、仮に国見を許せても、他の人たちを許せない。…それでも私が、仮に許せる人をあげるなら」
木兎さんから離れて、国見と向かい合うように立って。
「国見、あんたもその中にいるよ」
「…！せんぱ、」
「でも。大衆心理が当然働いた。自分に火の粉が向かってこないように。矢巾は一緒になって私に暴言を、国見は見て見ぬ振りを。……結局は、同じだよ。ただ、周りと比べて軽く見えるだけ…五十歩百歩もいいとこ」
一息をそう言って、私はため息をついた。
「…ほんとに、矢巾と言い国見と言い、青葉城西高校男子バレー部の人たちは頭が弱いの？無茶苦茶な行動取って。国見、今日何曜日だか分かってる？」
国見は珍しく、"うっ"と言葉を詰まらせた。
それから、国見もため息をついた。
「………先輩には、叶わないですね。俺、ほんとにどうかしてたかもしれないです。先輩が好きすぎて」
国見のその一言に、拍子抜けと言うよりも羞恥が先立った。
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西谷彩香(プロフ) - ?ルナ??さん» そう言って頂けて良かったです！ありがとうございます!! (2017年1月30日 22時) (
レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
?ルナ??(プロフ) - すっごい面白がったです！！泣きました！！ (2017年1月30日 21時) (レス) id: 4edd0d369a (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - ふじとーさん» ありがとうございます！そう言って頂けたなら光栄です！ありがとうございました！ (2017年1月28日 14時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
ふじとー(プロフ) - 泣いた。素晴らしい作品をありがとうございます。完結までお疲れ様でした！ (2017年1月28日 14時) (レス) id: 4901deebb9 (このIDを非表示/違反報告)
西谷彩香(プロフ) - マカロン♪@塩きゃらめるさん» いえ、コメントありがとうございます！何が普通かは、分からないところもありますが私なりの、ある意味でのハッピーエンドを目指しました。そう言って頂けて良かったです、ありがとうございました！ (2017年1月26日 23時) (レス) id: 237a91988d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西谷彩香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時：2017年1月20日 1時
