好⇔歪 ページ25
*
「あ、ほら見なよ。見たがってた"その後"が見えるんだけど」
「え、ほんと?あ、ほんとだやばい」
「…何、やっぱり僕危ないヤツになってんの?」
「そりゃなるよ。ねえ…だって、山の頂上からって…誘導されたし」
「それにノッたのはそっちでしょ」
「あは、正解。…んー、でもすっかり毒気抜けちゃったね。ほんとにあの時のと同一人物?」
「そうだけど?疑ってるわけ?」
「なんで彼氏を疑うの。疑うわけないでしょ。それにしても、ほんっとうまいよね…あんなの、よく思いついたね」
「即興だけど」
「尚更すごいね。まあ…空を見上げられるのは応えるなー…普通に同じ場所に立ってるのに」
「どうでも良いよ。だってこれで、ほんとに正真正銘…僕だけの、君じゃん」
「そうだね。私だけの、君だね。…さて、これからどうする?」
「さあね。…君さえ良ければ、向こうにお世話になれば良いんじゃない?黒尾さんも言ってたし」
「その手があったかー…でもさ、どうするの?働けないし、何も出来ないよ?」
「死亡届でも出されたわけ?」
「いや?」
「だったら余裕だけど?ほら、じゃあいくよ」
「うん。…あ、ちょっと待って」
「何」
「これ。手紙だよ〜。あ、そこの僕、ちょっと良い?あそこのお兄ちゃん達に、これを渡してきてくれるかな?お姉ちゃんからだよーって」
「良いよ!」
「ありがとね、いい子だな〜。じゃあ、よろしくね。あ、これはお礼」
「500円…お姉ちゃんありがとー!」
「いえいえ〜。…よし、行こう!蛍」
「ハイハイ。わざわざあんなの渡してどうするんだか。Aは…」
そう言いながら口角を上げた長身のメガネをかけた彼は、隣に並んだ彼女の手を引いて、静かに、その場を歩き去った。
fin.
*
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作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/
作成日時:2016年3月9日 19時