検索窓
今日:6 hit、昨日:10 hit、合計:7,111 hit

好⇔歪 ページ25

*








「あ、ほら見なよ。見たがってた"その後"が見えるんだけど」


「え、ほんと?あ、ほんとだやばい」


「…何、やっぱり僕危ないヤツになってんの?」


「そりゃなるよ。ねえ…だって、山の頂上からって…誘導されたし」


「それにノッたのはそっちでしょ」


「あは、正解。…んー、でもすっかり毒気抜けちゃったね。ほんとにあの時のと同一人物?」


「そうだけど?疑ってるわけ?」


「なんで彼氏を疑うの。疑うわけないでしょ。それにしても、ほんっとうまいよね…あんなの、よく思いついたね」


「即興だけど」


「尚更すごいね。まあ…空を見上げられるのは応えるなー…普通に同じ場所に立ってるのに」


「どうでも良いよ。だってこれで、ほんとに正真正銘…僕だけの、君じゃん」


「そうだね。私だけの、君だね。…さて、これからどうする?」


「さあね。…君さえ良ければ、向こうにお世話になれば良いんじゃない?黒尾さんも言ってたし」


「その手があったかー…でもさ、どうするの?働けないし、何も出来ないよ?」


「死亡届でも出されたわけ?」


「いや?」


「だったら余裕だけど?ほら、じゃあいくよ」


「うん。…あ、ちょっと待って」


「何」


「これ。手紙だよ〜。あ、そこの僕、ちょっと良い?あそこのお兄ちゃん達に、これを渡してきてくれるかな?お姉ちゃんからだよーって」


「良いよ!」


「ありがとね、いい子だな〜。じゃあ、よろしくね。あ、これはお礼」


「500円…お姉ちゃんありがとー!」


「いえいえ〜。…よし、行こう!蛍」


「ハイハイ。わざわざあんなの渡してどうするんだか。Aは…」



そう言いながら口角を上げた長身のメガネをかけた彼は、隣に並んだ彼女の手を引いて、静かに、その場を歩き去った。








fin.


*

あとがき→←その後。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:西谷彩香 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kunimi251/  
作成日時:2016年3月9日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。