好⇔歪 (ページ12) - 小説/夢小説

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くれるよね？ページ12

*

「…でも、」

「でも、とか…言い訳なんて聞きたくないんだけど？」

「蛍、聞いてっ」

「あのさあ…何で分かってくれないの？僕は君が好きだから、君と誰かが話してるのだって見たくないのにさ…じゃあ、多くの友達の方が大事って事？そう言う事だよね、僕だけを選べないって言うのは」

一気に捲し立てるように言えば、彼女は黙り込んだ。…別に、怒ってるんじゃない、理解してほしいだけ。

「……蛍は、さ…私に、どうして、欲しいの…？」

「言ったデショ、喋んなきゃ良い。それだけだって言ってるじゃん、今は」

「…今は、？」

「ちょっと、揚げ足取らないでくれる？」

僕はため息を吐いた。
理解して欲しかった。…Aなら、理解してくれると思ってた。だから、惹かれたのかもしれない。

「…私は、蛍の気持ち全てを受け止められるわけじゃないし、全てを理解する事は出来ない。でも、出来るだけしたいと思ってる。…お願い、どうか分かって」

「…あは、じゃあ、僕のこの気持ちはどこにやれば良いわけ？一人で苦しめって事？」

「ちがっ…」

「何が違うの？…って言うかさあ、僕考えたんだけど」

「な、にを…？」

「Aが僕の言う事に歯向かってくるのは、僕を“優しい人”と思ってるからかも…ってね。だったら僕は、君にとって“絶対の人”になれたら君は聞いてくれるよね？」

僕の言葉に目を見開いた。頭の良い彼女なら、僕の次の言葉が予想出来てるはず。そして…逃げないのは、そうなっても良いと、心の何処かで思っているから、だとしたら。

「君を閉じ込めたって…良いよねぇ…？」

そう言って、僕は一歩、また一歩と彼女に近づいて行く。
“来ないで”って言うのは、自我を保つため？自分は異常じゃないと、普通だと思いたいため？

…何でも良いよ。

「君の全てを、手に入れることが出来るなら」

*