好⇔歪 (ページ11) - 小説/夢小説

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否定しないでページ11

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あれ以来、Aは言った通りに努力を始めたようで。
僕が見てる範囲で、そう話したりはしなくなった。話しかけに来ようとする奴とか、他クラスの奴とかは僕が直々に追い払った。

だって、Aにはいらないでしょ、あんな輩。

「ねえ、蛍。最近、なんか変なんだよね」

だけど、ある日の彼女の一言。僕は首を傾げつつ、問う。

「何が？」

「何て言うか…寂しい、みたいな」

「…僕がいるのに？」

「蛍は蛍だよ。いて欲しいよ。けどさ、私の世界には蛍だけじゃないんだよ、やっぱり」

これ以上、周りと線引きして付き合うのは嫌だから、頼むから話すことを許してくれ、って事だよね。

「君が、努力してみるって言ったよね？」

「言った、けど…」

「無理だったから、白紙に戻してくれって事でしょ？…僕が認めるとでも？」

元々、彼女は社交的で、随分と友達が多い。それは、男女問わず。そんな彼女だから、たくさんの人間から好かれているのに、わざわざ僕を選んだんだ。話した事もなかった、僕を。

もしかしたら、自己満足かもしれない。
なかなか靡かない人が自分に靡いたら、みたいな。まあ、そうじゃない事を願うけど。

「蛍の事は好きだけど、私は蛍のためだけに、多くの友達は捨てられない」

その言葉、いつか口にすると思ってたよ。
Aはいつか、僕の元から離れていこうとするって。何となく分かってたから、別にいいけど。

「…でも、蛍の事も捨てられない。我儘なのは分かってる。蛍の愛はそう言うものだって事も分かって、」

「分かってないよ、Aは何も。分かってたら、友達を捨てられないとか言わないしね？」

だから、考えてしまうんだ。
君が、僕しか見えなくなるようになる方法を。

*