国定図書館の暗殺者 (ページ19)

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恥ずかしい時間　（"11巻で大切り"編）ページ19

後ろを振り向くと三人の文豪が立っていた。扉の方からもう三人入ってきた。
　
　「俺、のことだな」
　「志賀先生、他の先生方は集まりましたか？」
　「あぁ」

　その後は、各人の逸話・黒歴史を紹介し終わり、あだ名つけへと作業は移った。
　教壇の上に置かれた箱から紙を引いて、あだ名を決める。因みに、来た文豪の先生はあだ名から察して貰おう。

　「では、あだ名で鬼ごっこスタートです！！」

　ホイッスルが山中にこだました。
　私はトランシーバを片手に木の上から指示を仰いだ。

　「“司書”！聞こえてるか。今、“堅物”がそっちへ向かった準備が出来るまでの攪乱を頼む」
　「了解した“ゲテモノコック”」

　私は幾つか準備しておいた罠を仕掛けてしまうと、気配を察知されぬ様に消した。
　その頃…

　「“居眠り王子”！射撃の用意を頼む」
　「了解……でも、武者さｱ……“お魚天使”さん、何処を撃てば良いの？」
　「うーん。よし“美術ノッポ”に聞こう！」
　「解った」

　別の場所では…

　「しまった、気付かれた！“くちびる”！後お願い」
　「りょ、了解……。なぁ“闇鍋”」
　「なんだ」
　「替わりに撃ってくんない？」
　「断る」

　教室では…

　「“神埼名人”は彼処に居るのか」
　「ん？密告でもすんの“じりじり通訳”」
　「いや、手前は……鬼ごっこはしないので。“美少女”は」
　「俺はもう少し“萌え箱”と話してくる。インスピレーションが浮かぶかもしれないし」
　「手前も…」

　ﾋﾟﾘﾋﾟﾘﾋﾟｨｰ！！！
　再びホイッスルが鳴り響いた。結局、烏間先生もとい“堅物”は捕まえられなかった。

　「あだ名で呼び合うのも楽しいな！！」
　「そうですね」

　その日は、先生方と図書館まで帰った。
　その後、数日間文豪同士があだ名で呼び合っていたのだったが微妙すぎて笑いを堪えるのに必死だった。

　答え合わせ
　・ゲテモノ・コック→志賀直哉
　・居眠り王子→有島武郎
　・お魚天使→武者小路実篤
　・闇鍋→坂口安吾
　・くちびる→太宰治
　・ジリジリ通訳→横光利一
　・美少女→田山花袋

　文豪のあだ名のルーツが解らない場合は、コメントしてくださればお答えします。(文豪が)
　又、今回紹介した逸話は主にWikipediaを参考にしました。
　