ずっと…【エ.イジ】

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文化祭当日。



内装されている教室に入る。


この小道具、放課後頑張って作ったなぁ。



ほぼナナちゃんだけど…(苦笑)


ユ「キヨ先輩と回るんでしょ？楽しみだね」


『うん！！！！……早く会いたい』


キヨ先輩と回ることをどれだけ楽しみにしていたか。


本当に楽しみで幸せ。


皆文化祭モードでわいわい騒いでいてうるさいのに

廊下から誰かが走ってきている足音が聞こえる。


ヒ「Aちゃん！！！」

ドアに手を当て、息をきらしているヒラくん。


『どうしたの！？大丈夫？』

ヒラ君のもとに駆け寄ると、

ヒ「今日、キヨ来れないって。熱出した。」


………え？



ヒ「伝えてほしいって言われて。」


……そんな。


ヒ「本当にごめんって言ってた」


『そっか…。ヒラ君急いできてくれてありがとう。』



泣きそうだったけど、気持ちを押し殺して笑顔で。


ユ「一緒に回りたいけど、委員会が…ごめんね」


『ううん。大丈夫。ありがと』






周りは盛り上がっているのに
私だけ、灰色…。



そんな状態で文化祭が始まってしまった。





"大丈夫"

そうは言ったものの、一人で回る勇気もない

全然大丈夫じゃないし。



ガラガラ…


写真部は部員が少なすぎるし、普段活動もほぼしてないから、出店をしていない。


丁度よかった。ここに居ようかな。


幸い、ここは多くのクラスや部活我出店している場所から離れていて、通る人さえいない。


ふと机上のカメラが目に入る。


中を見ると、大好きなキヨ先輩の笑顔。


今までが幸せすぎたのかも。

一目惚れした先輩と同じ部活に入れて、遊んだり、文化祭一緒に回る約束したり。

うまく行き過ぎてたのかも。

私は特別かわいい訳でもないのに

先輩は、一年生からも認知される程格好良い人。




もともと釣り合わないのかも。


はぁ…。会えないだけでこんなに消極的になっちゃうんだ……。



「隠し撮り？」


一人だと思ってたから頬にある涙には気にもくれなかったし、
キヨ先輩の笑顔が写ったままカメラを持っていた。


『なんで、いるの…』



エ「暇だろ。」


『ひ、暇だけど…』


急いで涙を拭う。


エ「折角文化祭の準備頑張ったんだし」


手を取られて、部屋を出る。


エ「楽しまなきゃ、損じゃない？」




この笑顔、本当に苦手。



苦しくなって、でも少しだけ安心して。






苦手なのに、もっと見たいって思っちゃった。







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