ずっと…【エ.イジ】

5. ページ5

.




そこから、毎日部活に通うようになった。

長時間いる訳じゃないけど、一時間位皆で話してから帰る。これが日課。


フ「Aちゃんが入ってからよく活動するね。この部活。」

なんて言われて、4人で少し写真を撮ってみたり。

私のカメラのフォルダにキヨ先輩の笑顔の隠し撮りがあるのは秘密。


先「もうすぐ文化祭です。この二時間で何をするか、目標、役割などを決めといてください」

とだけ言って行ってしまう先生。

エイジ君と二人で進行する。


プリントの事があってから、エイジ君とは少しだけ打ち解けた。
意外と笑うし優しいし、しっかりしていて。


エイジくんのお陰で、スムーズに話し合いが進み、私のクラスはメイド喫茶(男子が女装)をする事になった。




ヒラくんは想像しただけで可愛い。とりあえず早くみたい。
……エイジくん(笑)想像できないし面白い(笑)

エ「ニヤけてないで手、動かしてくれる？」

今日も二人で放課後作業。

部活には行けないけど、エイジくんと二人でも意外と面白い。

『エイジくんの女装姿、想像したら面白くて(笑)』

エ「勝手に想像すんなよ変態(笑)俺みたいなのに限って、意外と可愛いかったりする。(笑)」

『それはないなぁ(笑)』


エイジくんは看板の絵を描いている。

私はメニュー。

絵も上手いんだ…。勉強もできるし、エイジくんに出来ないことってあるの？

『何その絵(笑)』

エ「可愛いだろ(笑)」

看板の端に謎のキャラクターを描いているけど、個性強すぎて面白い。

『可愛いというより面白い(笑)』

エ「お前を想像して描いた」

『こんな変じゃない(笑)』



私を想像して描いた……！？

エイジくんってこんなに可愛かったっけ…？


『私もエイジくんを想像して描いてみよ』

へなちょこな男の子を描いてみた。

エ「んー？」

私が持ってる紙をのぞき込んでくる。


『意外と可愛くない？』

そう言って顔を向けると、


思ったより近くにエイジくんの顔がある。


慌てて体を離す。

……緊張…した。


好きじゃないからといって、あの距離で見つめ合うのは心臓に悪い。

エ「本物の方が可愛いけどな」

そう言って私にとろけるような笑顔を向ける。

何故か心臓が跳ねた。


この気持ち……。

そんなわけないよね。



私は、キヨ先輩が好きなんだから。


そう自分に言い聞かせて、作業に戻った。





.

6.→←4.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す