音漏れ【赤】

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声に反応して向けば、店員さんが料理持ってきてる。



桃「…え、ちょ急におっきい声出さんでや」



『あ、ごめん(笑)めっちゃお腹すいてて』



桃「あははは(笑)そうなん？(笑)」




“お兄さんの声って、シゲに似てる”




…小瀧くん、絶対そう言おうとしてた。




『わ、美味しそ〜』




…たまたま、やんな？




桃「ほんまにええんすか？お兄さん食べなくて。…いや俺のお金やないんすけど」



赤「俺お腹すいてへんから。Aちゃんのお礼の為に来てんから、俺はええよ」



…って、ほんまは



マスク取れないからやねんけどな。




桃「あ〜なるほど」




…いや小瀧くんは騙されやすいタイプやと思う。確実に。




桃「流星かっこよかったなぁ…」



『あはははっ！またその話？(笑)』



桃「あ、やったらお兄さんについて知りたいっす。名前もなんも知らんし」



…急に鋭いやん(笑)…まぁ当たり前か



顔も晒さん名前も知らん男めっちゃ怖いよな。



…重岡大毅ってバラしたら、めっちゃ楽やと思う。



…話も盛り上がるやろし、Aちゃんと仲良くもなれると思う。



…少なくとも、今の謎男の立場よりは。




赤「えぇ〜？俺は謎キャラで居りたい(笑)」




…やけど、流石にそれはできひん。




俺も、プロやし。




…ってご飯来てもうてるけど(笑)




…二人に迷惑かけたらあかんし。…まだ高校生やし




桃「確かにそうっすね(笑)…なんか、俺も知らん方がええって思ってました。なんとなくやけど」



赤「俺らの世界に踏み込んだが最後…」



桃「えっそういう感じっすか！？！？(笑)」




低い声でそう言えば、乗ってくれる。




…ええ奴やなぁ




赤「毎朝自転車とランニングですれ違ってただけなんに、ご飯くるなんてなぁ…」



桃「確かにそうっすよね！？Aから話聞いてたんで、まさかそのお兄さんとご飯なんて」



…話、きいてた…？？




『傘貸しただけなのに、本当にありがとうございます』



…笑顔が天使ちゃんやな。ニコニコ天使ちゃん。




赤「や、ほんまありがとう。助かった」




『ふふ、良かったです』





ふわ、っと笑うAちゃんに、またきゅんとしてしまう。





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