触れてもいいですか？【桃】

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でも俺から握るのは怖がらせてまうかもしれへんから、待つ。





『〜〜〜〜〜〜〜っ！！！』





柔らかくて小さい手が俺の手と重なる。





『！！出来た！！』




キラキラの目で俺を見上げるA。





桃「んは(笑)よく出来ました」





『…望の手、おっきい！』




桃「Aがちっさいだけやろ」




『そんなことないしっ(笑)』





…俺らのスピードで、ちょっとずつ前に進めたら。





この小さい手は、俺が守る。







月曜日の朝。ニヤニヤ重岡がなぜか俺の席に座ってます。





赤「おいおい小瀧くんよぉ〜。」




桃「なんやねん(笑)」




赤「ええやんええやん〜！Aが手触れた！って喜んでたで？」





そう意地悪に言われれば、隣に座る彼女が真っ赤に。





『シゲ！うるさい！(笑)望、おはよ』





桃「おはよ！」






赤「…Aのこと頼んだからな、小瀧！」





桃「おう。重岡に頼ること多くなりそうやけどな？(笑)」





そういえば、なぜか顔を歪めてる。





赤「…せやな。」





桃「…？？？」





『シゲ！あと２分！』




赤「あっぶね！淳太に怒られるところやった！小瀧くるのおっそいねん！！またな！」





桃「…忙しいやつやな〜」





橙「はい席ついて〜！今日は転校生がおる」









“紫「文化祭後に来るっていうてたけど…」”








…嫌や、あって欲しない





…転校生が







緑「神山智洋です。えー趣味はダンスやってます。甘いもん結構好きです。よろしくお願いします。」







…神ちゃんさんなんて。







橙「神山はあっこの席な〜」







運良く結構遠くに座った。





…横でかすかに震えとるから。





…いけるか分からへんけど。





少し下めに手を伸ばせば、ぎゅっと力強く握られる。




…俺もぎゅっと握り返せば、落ち着いたように震えが止まる。





…なんでうちのクラスなん。





無意識のうちに睨んでた。





目がバチっと合って、含みのある笑顔で返される。




…重岡がいつか言うてた





“眼力で殺そうとしてたやろ！(笑)”






…出来たらええのに、って思う。



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