36 ページ36
.
静かに、ゆっくり、私の家に足は進んでいる。
体は重くて、視界はぼやけてて、それでいて心臓が痛い。
苦しい。
私とシなくてなってから、あの女の人とシてるって事、だよね？
“飽きたみたいだよ？”
いつか、くるかもしれないって
でも、私は特別だって。
…そう、思ってたのに。
何にも特別なんかじゃなかった。
何自惚れたの、私。
最初の頃は、いつか捨てられるものだと思ってたのに。
私以外を断ってるとか、
家に上がらせないとか、
そんなの聞いて、自惚れて。
…結局、捨てられる。
…こんなに好きでも、叶いっこない…
涙は止まらないし、もう歩く気力もない。
ガタ、と体が崩れる。
今更になって、“�霤沈菁擇世韻狼い鬚弔韻董�
…忠告が頭をよぎる。
“少し早く着きそうです！”
と送った相手から
“待ってんで〜”
と通知が来た。
…話なんて、聞きたくない…っ、
既読をつけずに、上から二つ目のトーク欄を開いて電話をかける。
prrrr…
おねがい、出て、
おねがい。
赤「もしもし〜？どうしたん？」
暖かい声
『し、しげ…、っ、う〜〜、しげぇ…っ』
ボトボト、涙が落ちる。
赤「なんで泣いてるん！？まって、今から行くから、どこ？」
焦った声。
シゲは…優しすぎる。
赤「待っててな、すぐ、つくから。
…大丈夫や、俺がおるって！！！」
優しい声に、もっと涙がでる。
ずっと繋いだままの携帯からは、シゲの優しい声がずっと聞こえてて。
…凄く辛いけど、どこか安心してる自分もいる。
赤「…ハァッ、ハァ、おった」
聞こえた声に顔を上げれば、
その瞬間に包まれる。
赤「大丈夫や、もう俺がおる。安心してええ。」
安心して、もっと涙が出てきて。
赤「もぉ〜泣くなやぁ(笑)」
そう言いながら、頭をぽんぽんしてくれる。
たかひろより小さい手で。
…けど、おっきい温もりのある手で。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1082人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一波(プロフ) - 心がぽかぽかしてます(^^)また、きっと読みに来ます! (2019年7月7日 4時) (
レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - 読み始めたら止まらなくって一気読みしちゃいました(^^)そして、途中であれ?これ読んだ事あるぞ…と思いつつも止まらなかったです!このお話のはまちゃん大っ好きです!しげもいい味出してるし、主人公ちゃんも可愛い(^^)素敵なお話ありがとうございました。しあわせで (2019年7月7日 4時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
kunihiro8(プロフ) - 神シゲLOVEさん» な、なんと…ただ今更新中の…新作を…読み進めると…しげりゅせが…見れたり…見れなかったり……！？！？(笑)私自身しげりゅせが大好きなので、そう言っていただけるのは需要と供給がマッチしすぎて嬉しい限りです！この続き考えてみます！コメント有難うございます！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: 62485841c2 (このIDを非表示/違反報告)
kunihiro8(プロフ) - れいなさん» 私もお返事遅くなってしまって申し訳ないです！！（；＿；）二回…！？！？嬉しすぎて嬉しすぎます！！！！！ありがとうこまざいます！！新作更新しているので、良ければ読んで頂けるだけると！嬉しいです！！コメントありがとうございます！！！！！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: 62485841c2 (このIDを非表示/違反報告)
神シゲLOVE - こ…この続きで…し…しげりゅせをお願いしまぁぁぁぁぁぁす！ (2019年3月29日 22時) (レス) id: 8e8cd98909 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kunihiro8
| 作成日時：2019年2月7日 1時
