アイドルは私にとって別世界の住人でした。[九条天]

9話 ページ10

「だって、此処までハッキリ言われたらプロとして引けないでしょ？ ほら、連絡先教えて。」




手を引かれては道の隅に連れてかれ、携帯を手に取る。


この人、随分。凄いな。傲慢っぷりが。





「てか、私の連絡先聞いてどうするんですか？ アイドルとして、ファン(仮)に連絡先聞き出すとか……あ、悪用するとかやば過ぎません？」




「君はいいの。僕が出る番組とか全て連絡するから確認して。そして見た感想を連絡して。」





「九条さんって、とても我儘な子なんですね。」






なんかよく分からない理由になんでか分からないけど納得してしまったので連絡先を交換した。




大人気アイドルの連絡先とかやばくない？


庶民の私がこんな偶然過ぎる偶然でもらって言い訳？？







「よし。じゃあそろそろいったほうがいいんじゃないの？ お友達待ってるんでしょ？」





「あ。」





九条さんのせいで彩依のことをすっかり忘れていた。



彩依、困ってるだろうな。怒ってるかな？






「わ、私、もう行きます。えっと。助けていただき、？……ありがとうございました？」





一様、疑問形だが先程助けてもらった例を入れる。


九条さんは軽く会釈をした。





「一様。私は、七閑(なのひま) Aです。Aでいいです。」




「わかった。僕も天でいいよ。A」









＿＿＿＿＿＿＿。





これが私と天さんの奇妙な。偶然過ぎる出会い。





この後どうなっていくのかは私たちにはまだ、分かるはずもない。

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