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「知らない。彼女ですか?」

「違う」

「じゃあどちら様?」

「ストーカー」

「ええ?」










元々大きいその瞳をさらに大きく見開いて、
口をぽかんと開けるテヒョン

その態度はわざとなのか、天然なのか。



しっかり見ろ、と
スマホを顔にぐっと近づけても、
知らないの一点張り


え〜い、やっぱり彼女でしょう
そう言ってニヤリと笑う彫刻。



……こいつは一体何を言ってるんだ。











「お前がこの前見たって言ってただろ。
 俺に付きまとってる女。長い黒髪の2年だって」










最近、物がよくなくなるのだ。

一昨日はタオル、昨日はシャーペン
今日は運良く盗られていないけど




先週、俺が鞄を置いていた空き教室から
慌てて出てくるのを見たって

犯人はそいつだろうって
お前が言ってたんじゃねえか。



そう言うと、テヒョンが怪訝な顔をしたあと
あ〜、と納得したように目を細めた。










「ヒョン、勘違いですよ」

「は?」

「俺が見たのは、もっとなんかこう、
 あの、タヌキみたいな感じで…垂れ目っていうか」

「…あ?」

「とにかく、この人じゃないですよ」










間違えちゃったんですね、と笑う顔とは正反対に
背中に流れる嫌な汗

落ち着きのない俺の様子を
じっと見たのも束の間、


まさか…と眉を寄せるテヒョン
こいつは本当に勘がいい。










「…この人に何か言ったんですか」

「……」

「まさか、ストーカーとか…」

「…………………言った」

「……ヒョン、謝らないとダメですよ」

「………」

「ヒョン」









その後はもう聞いていなかった。


女の子にそんな風に強く言ったらダメだ、とか
そもそもどうして写真を持っているんだ、とか
万が一ストーカーだったとしたら
話したりしないほうがいい、とか



いつも言われる側のくせに
ヘッドフォン越しにガミガミうるさいから

もういっそ帰ってやろうと席を立つと










「ヒョン、足でドア開けるのもダメですよ」

「……うるさい」










あんまり口うるさいから
あてつけに足でドアを閉めてやると

案の定、閉めた扉の先で
え〜いヒョ〜〜ン、と長めのため息が聞こえた。











もしかしたら、
俺はやってしまったのかもしれない。

悪かったとは思う。
でも、もう会うこともないだろう。



昼間の2年の黒髪女

どうぞ俺の悪口を散々に広めてくれ
そして、“白雪王子”なんてなくしてくれたらもっといい。









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7 ※大幅に修正しました→←5



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作品ジャンル:恋愛
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おバカな莉久(サブ) - 初めまして!この小説面白いです!いつも画面で見る笑顔のSUGAと間逆だけどそこがいいって言うか。何よりギャップよきよきです!←私は最近ハマッタばかりですけど(笑) (2022年2月18日 23時) (レス) @page3 id: ddd40ab2e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たちばな | 作成日時:2022年2月17日 21時

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