116 夜闇4 ページ23
「急いでるみたいだしちゃっちゃっと済ませよう。あそこからなら廊下に入れるかな。
オビ、もういっちょ飛ばしてくれ」
「踏み台に連れてこられたのかね。俺は」
文句を言いながらもやっぱり失敗することもなく。
辿り着いた窓の奥には薄暗い廊下が広がっていた。
こっそり入るんだろう。
様子を窺うトロウにそう信じて疑わなかった。
が。
派手な音を立てて窓が蹴飛ばされた。
危うく声を上げそうになり口を手を当てる。
何してるんだ。
「おい気付かれるぞ」
「いいからいいから」
オビの文句にもAの視線にも気にした様子もない。
オビの背を押してどんどん奥へと進んでいってしまった。
待っている訳にもいかずに後ろを着いていくと、バタバタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
そりゃそうだ。
これで起きなかったら危機感がないにも程がある。
どうするんだろうとトロウの背中を見ていると、不意に彼女が手を離した。
振り向き様にウインクされる。
「護衛雇ったって情報があってね。
お相手よろしく。お2人さん」
「ああ……そういう奴だったよね。あんた」
呟く声に返す相手はいない。もうとっくに姿は小さくなっていた。
代わりに現れたのは騒がしい足音の主。
「何者だ！」少し上擦ったように叫んだ男は、あんまり護衛に慣れた感じではない。
「通りすがりの者です」
「うっかり迷い込みまして」
適当な返事にも程がある。
怪訝そうな顔をした男はA、オビと見て、またAの方を見た。
まあ妥当な判断だ。
「相手する？」
「いや適当にいなす」
「了解」
短剣を触っていた手を離す。
大きく剣を上げ、ただ真っ直ぐに走ってきた彼から身体をずらして避ける。
止まれなかったらしくそのまま走って行ってしまった。
「あ、そっちには階段が」
言ってはみたがどうにもならない。
忠告した時には既に激しい物音と共に落下していた。
まあ気絶しただけで済みそうで何よりだ。
「で、どうしようかオビ。
あの人追いかける？」
「まあ放っておいてもヘマはしないだろうよ。
俺はその辺で待ってるからお嬢さんはお好きに」
ひらりと手を振った彼に考える。
……護衛がまだいるかもしれないし見てくるか。
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七草(プロフ) - 紗夜さん» お返事くださっていたのにすみません！！全く気付いておりませんでした！己の睡眠欲に負けないよう頑張ります！ありがとうございます！！！ (2021年8月16日 10時) (
レス) id: 36eff566e0 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください！ (2021年6月26日 4時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七草 | 作成日時：2021年5月4日 20時
