112 風呂2 ページ19
木々の言葉に思い出す。
Aがイザナに仕え始めて少しした頃から、ゼンが城から抜け出すようになった。
引き止めた方が良いのかと尋ねたが『反抗期だ。放っておけ』と頬杖をついた主人は笑って、そして。
「『あいつにはここの窓が檻のように見えるんだろう』って」
「へえ、さすが。お見通しだね」
ぽつりと漏らした言葉でも木々には誰の言葉か分かったらしい。
目を細めて額に貼り付く髪をかきあげた。
非常に様になっている姿につい視線を送ってしまう。
「おお」隣から聞こえた歓声に目をやると、同じように見惚れていたのだろう白雪が照れ笑いした。
「こういう話を聞くと、お二人の城勤めの長さを改めて実感しますね」
しみじみとした白雪の感想に緩く首を振る。
「長いだけで濃さはからっきし。
ちゃんと向き合えるようになったのは誰よりも遅いくらいだよ」
「実際あの頃は避けられてたしね。嫌われてるのかと思った」
「そんなことは！尊敬してますよ、ずっと」
ちょっと色々下手くそだっただけで。
ごにょごにょとした言い訳は、楽しそうな笑い声に止められる。
「知ってるよ。だから今こうやって3人で過ごせるようになって嬉しい」
言いながら細い指でAの額を撫でる。
視界を邪魔していた前髪が消えると木々の顔がよく見えた。
抱いた感想は単純。
これは、何というか。
「眩しい」
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七草(プロフ) - 紗夜さん» お返事くださっていたのにすみません！！全く気付いておりませんでした！己の睡眠欲に負けないよう頑張ります！ありがとうございます！！！ (2021年8月16日 10時) (
レス) id: 36eff566e0 (このIDを非表示/違反報告)
紗夜(プロフ) - 続きを…続きをください！ (2021年6月26日 4時) (レス) id: 5c2d649dea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七草 | 作成日時：2021年5月4日 20時
