41 王城開放日(1) ページ42
あの日、オビといわゆる恋仲というものになった。
でも別に何かが変わったわけではない。
それよりも変わったのは他人との方だ。
髪を晒した自分を王城の人たちは好奇の目で見た。
直接質問する人、遠くで何かを囁きあう人。
決して居心地が良いとは言えない中、オビたちはいつもと変わらない態度で迎えてくれた。
自分が安心できるように。
あえてそうしてくれたんだろう。
＊
そんな好奇の視線も少し落ち着くころ。
ウィスタリア城は数年に一度の王城開放日を迎えた。
いつもは静かな王城もこの日は所狭しと店が並び、老若男女が通りを行き交う。
少し離れたところでそれを見守るAは衛兵の格好をしていた。
ちなみに無断拝借したものではなく、きちんと話は通してある。
足りない人手を補うのが１つの理由。
もう１つは、不審者さながらの格好をせずとも髪を隠せることだ。
流石に不特定多数の人には髪を見せたくない。
まあちらちらとは見えているのだが。
「嬉しそうですね」
隣で並ぶシキトがふと呟いた。
誰に向けてかわからなかったが、この辺りでシキトの知り合いに該当する人は自分しかいない。
ということは自分なのだろう。
「そうですか？」
「はい。自分にはそうお見受けしました」
確かに言われて見ると頬が緩んでいる。
「今までは忙しくて、開放日を楽しんだことがなかったので」
半分嘘で半分ホント。
今まではワイワイと楽しむ人を部屋の中から見ていた。
あの時の自分には『ここ』は眩しくて遠かったのだ。
「そうだったんですか。
では今日は楽しんでくださいね」
「はい」
きっと楽しくなる。
不思議とそう確信できた。
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七草(プロフ) - みおさん» わー指摘ありがとうございます！書いている自分でもなんか違う気が…？って感じだったので助かりました_(:3」∠)_訂正しときます〜 (2017年5月19日 23時) (
レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - コメント失礼します！いつも更新されるの楽しみにしています！！私の勘違いかも知れませんがオビはキハルのことをトグリルと呼んでいたと思います！ (2017年5月19日 17時) (レス) id: 7eccd963e8 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - 意味に変わりはありませんが、『更新は遅めで』→『更新遅めで』です(･ω･`) (2017年5月15日 0時) (レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - まりねえさん» 温かいお言葉ありがとうございます…！更新は遅めで申し訳ないです(；ω；)なるべく頑張ります！ (2017年5月15日 0時) (レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです！ 更新頑張ってください、待ってます！ (2017年5月14日 21時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七草 | 作成日時：2017年3月27日 22時
