4 野良猫との和解 ページ5
「いや〜お嬢さんほんっとごめん!
俺みたいな被り物してるからてっきり悪い人かと」
「いえ、私も問いかけなかったので」
手を合わせて謝ってくるオビに、気にしてないと笑いかける。
でも本当にびっくりした。
まさかこんな人がゼンの側近だったとは。
ゼンが出てこなかったら、頰の傷だけじゃ済まなかっただろう。お互い。
「Aがいるってことは、やっぱり兄上が帰ってきているんだよな……?」
喜びと困惑とが混じった複雑な顔をして聞いてくるゼンに苦笑いする。
「うん、さっきね。
でも私に会ったのは内緒にしておいてね」
「ああわかった。
そうだオビ。お前は素顔を出して待機だ」
被り物を剥がし、オビの顔が明らかになった。
(意外にも童顔なんだ……)
「どうしましたお嬢さん?あまりのイケメンっぷりに見惚れてるんですか?」
「へ、あれ?見つめてましたか」
指摘されて初めて、自分がオビを見つめていたことに気づく。
「いや、なんとなくなので。すみません」
謝るべきなのかどうかは知らないが謝っておく。
オビが何か返事しようとした時、
遠くからイザナがAを呼ぶ声がした。
「お呼びみたいだね?」
「みたいですね。失礼します」
聞き取れなかったらしく1人怪訝な顔をしているゼンに一礼し、近くの木に飛び乗る。
そのまま次々に飛んでいきあっという間に姿は見えなくなった。
「ところで主。
なんであのお嬢さんの身分証は『王子』付き従者になってるんですか?」
「あいつは特別だ。まあ普段は兄上に付いていることが多い」
へえそうなんですか、とAが走り去った先を見つめるオビ。
その横顔は彼にしては珍しく真面目な顔をしていた。
あの、どんな緑よりも深い緑の瞳が頭から離れない。
……なーんか気になるのみつけちゃったかなあ。
158人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七草(プロフ) - みおさん» わー指摘ありがとうございます!書いている自分でもなんか違う気が…?って感じだったので助かりました_(:3」∠)_訂正しときます〜 (2017年5月19日 23時) (レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - コメント失礼します!いつも更新されるの楽しみにしています!!私の勘違いかも知れませんがオビはキハルのことをトグリルと呼んでいたと思います! (2017年5月19日 17時) (レス) id: 7eccd963e8 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - 意味に変わりはありませんが、『更新は遅めで』→『更新遅めで』です(・ω・`) (2017年5月15日 0時) (レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - まりねえさん» 温かいお言葉ありがとうございます…!更新は遅めで申し訳ないです(;ω;)なるべく頑張ります! (2017年5月15日 0時) (レス) id: ee557d4a40 (このIDを非表示/違反報告)
まりねえ - とってもおもしろいです! 更新頑張ってください、待ってます! (2017年5月14日 21時) (レス) id: c914c93a5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七草 | 作成日時:2017年3月27日 22時