【モテるあいつより】西村拓哉 ページ7
私達の学校にはとってもモテる先輩がいる。
村山A介くんだ。
顔がかっこよくて、サッカーができて、完璧な人。
私は彼が好きだったから、いつも幼馴染みの西村拓哉に恋愛相談をしている。
今日はバレンタイン。
先輩は3年生だから、今日しか渡す機会はない。
1年の私なんか、3年の先輩が見たら、ガキに見えるかもしれない。
それでも、振り向いてほしい私は、一生懸命お洒落して、渡しに行った。
結果は、そのまま返された。
チョコレート、苦手なんだよね、といいながら返された。
でも、貰ってもらえた子だっている。
私は、駄目だったんだ。
いつものように拓哉のところに行って、ぽろぽろ泣き始める。
「私、頑張ったのにぃ、、！」
拓哉「…ほんと、めっちゃ頑張ってた」
彼は優しく私の背中を撫でる。
拓哉「これ、捨てちゃうなら俺が食べてもいい？」
「いいけど、、」
ぱくり、と彼は一口食べる。
拓哉「んっ、美味しい…！
すげ、こんなの作れんだ」
彼が心底嬉しそうに食べる。
そういえば好きな人のことばっかりで、私は一切彼へのチョコレートを用意していなかった。
少しだけ申し訳ない気持ちになる。
それにしても、突き返されてしまって、悲しくなる。
また泣き始めた私を見て、彼は口を開く。
.
拓哉「そんなに、泣かせる男のどこがいいの？
モテるあいつより、、俺のほうが笑顔にできる
俺じゃ、だめ？」
今思うとかなり整ったきれいな顔。
大きな二重の目がばっちりとこちらを捉えていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くも | 作成日時：2023年9月18日 0時
