恋してみませんか (ページ3)

今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:8,111 hit

【隣の席の彼】嶋﨑斗亜ページ3

「おー嶋﨑！おはようさん！」
「斗亜おはよ！」
「斗亜ちんおっは〜！」

私の隣の席の嶋﨑くんは、人気者だ。

いつもだれか隣りにいるし、みんな挨拶をしに嶋﨑くんのもとへ来る。

どんなときも笑顔で朗らかな彼は、本当にみんなから人気があって、クラスでもムードメーカー的存在だった。

そんな彼に私は片思いしている。

学年一可愛い子だって彼のことが好きらしい。

かなわない恋だと知っているけれど、隣の席になって、より近くで彼を見ていたら、気持ちが溢れそうでしかたなかった。

諦められそうに、なかった。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

ある朝、私は勇気を出してみることにした。

今日あったら挨拶しよう、と心に誓って、高鳴る胸を抑えながら教室へ入る。

「嶋﨑くん、お、おはよ！」

はじめて私から挨拶をした。

彼は少しだけ驚いた顔をしたあと、みたこともない可愛い顔ではにかんで

斗亜「おはよぉ、Aさん」

と返してくれた。

名前、覚えててくれたんだ。

それだけで嬉しくて嬉しくて、その日の夜は眠れなかった。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

あれから月日が経つうちに、嶋﨑くんから斗亜くんへ、AさんからAへと呼び方が変わっていった。

一緒に放課後勉強をした日もあった。

期待してもいいのかな、なんて思いながらも、この曖昧な距離感に浸っていた。

「斗亜くんって好きな子いるの？」

まわりで恋バナしている人たちがいたから、その流れでさらっと聞く。

すると斗亜くんはさもそれが当たり前かのように言葉を発した。

.

.

.

.
斗亜「俺ずっとAにアピールしてんねんけど、まだ気づかへん？」

隣の席の斗亜くんは、ちょっとずるくてあざとい子。