彼女と彼のこと ページ15
ガク目線
なんだかがやがやしていて、気になったからあたりを見渡すと、凜々に会議室へ通される小鳥遊さんの姿があった。
とても驚きつつ近寄る。
すると、ハルくんの匂いがした。
そう、小鳥遊さんの身体中から、ハルくんの匂いがした。
ハルくんと、デートしたあと、一体何をしたんだろう。
二人はそういう関係なのだろうか。
でも今日、ハルくんはいない。
彼女の目線に怯えながら、言葉を出す。
ガク「…えっと、……今日、ハルくんはいないんですけど…」
すると彼女は驚くべき言葉を発した。
『…違う、あなたに用があってきたの。』
僕に、用が？
ガク「…僕に…。」
ぽろりと言葉が溢れる。
それからすぐに、凛々さんが部屋を出ていった。
それを確認した後、目の前に座る小鳥遊さんは言葉を紡ぐ。
『…キリカ様とどうしてデートしたの？』
聞いてきたのは、案外普通のこと。
けれど答えにくかった。
だって、ハッキングなんかしているから。
ガク「…えっと、その…」
僕が言い淀んでいると、彼女は刺さるような視線を向けてきた。
黙っていても仕方がないと思い、もごもごと話し始めた。
ガクはドラ娘の開発者情報を得るために、ドラゴンバンクをハッキングしたこと。
その後ハッキングしたことがキリカ様にバレて、デートに誘われたというわけだったこと。
話が進むたび、彼女の顔は曇り、何かに怯えたような顔をした。
話し終わったあと、しばらくの間があって、彼女は『…そうだったのね』とだけ言って、俯いた。
なにか、話題。
彼女もハルくんとのデートは、仕事の関係だろうか。
それとも…。
気になっていたことを聞くのは今しかない、と思って、僕は口を開く。
ガク「小鳥遊さんも、き、昨日ハルくんと、デート…してきたんですよね…？
それも、僕たちみたいに、仕事の関係ですか？」
怯えるような声が出たけれど、目線はまっすぐと彼女を見据えた。
ばちり、と目が合う。
なにかやましいことでもあるかのように彼女は目線を反らした。
そして、なにも答えなかった。
ただ、上目遣いでこちらを見て、困ったな、といったように眉を下げた。
気持ちが、揺らぐ。
ハルくんと、デートがしたくて、したんだ。
じゃあ、この香りは、そういうことをしたって意味で
きっと誤解も、なにもない。
わかっていた結末のはずなのに。
すっかり静かになってしまった会議室で、僕の胸はキリキリと痛んだ。
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くも(プロフ) - 瑠華さん» ありがとうございます！みなさんがここまで読んでくださったおかげで完結までいけました…！本当にありがとうございます😭番外編も頑張ります💪 (9月16日 22時) (
レス) id: 8d1df0f303 (このIDを非表示/違反報告)
瑠華 - 完結おめでとうございます〰！ ここ最近ずっと読み返したり、更新を楽しみにしていたので本当に嬉しい限りです✨ 番外編もがんばってください！！ (9月16日 11時) (レス) @page22 id: 88894a9c9d (このIDを非表示/違反報告)
くも(プロフ) - aomin0131さん» 読み返してくださってるんですか！？ありがとうございます嬉しいです…！更新頑張るのでぜひこれからもご愛読ください！リクエストもありがとうございます🫶🏻 (9月3日 3時) (レス) id: 8d1df0f303 (このIDを非表示/違反報告)
aomin0131(プロフ) - 何度も読み返してます…こんな素敵な作品に出会えて嬉しいです！！！更新楽しみにしています！私も瑠華さんと同じで逆バージョン見てみたいです🫶🏻 (9月2日 16時) (レス) @page9 id: f7e48edc28 (このIDを非表示/違反報告)
くも(プロフ) - 瑠華さん» こんばんは！リクエストありがとうございます！逆バージョン…おもしろそうですね！この作品が完結したあとになるかと思いますが書いてみようと思います！頑張ります！💪 (9月1日 1時) (レス) id: 8d1df0f303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2023年8月22日 20時
