検索窓
今日:6 hit、昨日:15 hit、合計:31,785 hit

第18章 ページ21

.


「兄者…少しお茶でも飲んで落ち着いてみてはどうだろうか」

「何を言ってるの膝丸、僕は落ち着いてるよ」


兄者よ

俺の名前をちゃんと呼んでくれるのは感動なのだが、日輪刀達と別れてからずっと落ち着きがない

部屋に足音が近づく度にソワソワし始めたり、その足音が遠のくと溜息をついたりその繰り返しなのだ

いつもの兄者ならじっと座りお茶を飲んで茶菓子を食べながら気ままに時間をゆっくり過ごしている

簡単に言ってしまえば、いつもの兄者らしくないのだ


兄者がこうなってしまった理由の見当はついている


「兄者、Aと元主である炭治郎という少年が気になっているのか?」

「…さすが弟ってところなのかなぁ」

「 兄者がそこまで他の刀を気にするなんて珍しいな」

「うーん…千年も刀やってるとね、大抵の事はどうでもよくなっちゃうんだけど…あの刀(あのこ)は何だかほっとけなくてね。……んーっと、えっとぴざまるとは少し違う感じなんだ」

「 兄者…俺の名は膝丸だ…」

「あ、そうそう、膝丸ね」


さっき名前、普通に呼んでくれていたじゃないか!!

兄者ぁぁぁあぁあ!!!


……ゴホン


取り乱した



「俺とは違う感じか…」

「膝丸は大切な弟だし、はっきりとした特別っていう感情はわかるんだけど…Aに対しては…うーん…大切な妹、とかっていう感情とかではないんだよね。もっとこう…複雑というか…彼女が他の刀、特に刀剣男士と2振りでいるところを見るとあまりいい気分にはならなかったり彼女の事を目で追いかけてしまったり…うーん……」



兄者、俺はわかってしまったかもしれない


きっとAに恋をしてしまっている

それにまだ本人は気づいていない


しかし、これはどうすればいいのだろうか

言うべきなのか

本人が気づくまで待つべきなのか



「あ、兄者…それはきっと…」

「髭切ー、膝丸ー、入るよー」



それは恋だと言おうとした瞬間

加州はいつものように軽い調子で部屋を訪ねてきた

日輪刀達の話し合いが終わったのだろうか?


「主がみんな広間に集まるよーにってさ」

「…そっか。あの子は?」

「Aの事?」



兄者は否定もせず肯定もしなかった

その様子から加州もAの事だろうと分かったみたいだった


「…俺もまだ会えてない。主の部屋で話していたみたいだけど刀剣男士は近侍しか入れてないから」


兄者はそうと言葉を残すと広間に急いだ


.

.→←第17章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (2月6日 8時) (レス) @page26 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
kumo(プロフ) - 水月さん» わぁぁぁあ、こんな駄作にコメントありがとうございます(TT)励みになりました!頑張りますので、よろしくお願いします(o^^o) (2020年5月8日 14時) (レス) id: 5e86565bcf (このIDを非表示/違反報告)
水月 - 凄く面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月8日 14時) (レス) id: 13085b09f2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kumo | 作成日時:2020年4月20日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。