３０話 こりゃ驚きだぜ！ ページ37
隆「桜羽は釈放になった！」
突然発せられたその言葉にその場にいた全員の体が石造のように固まってしまった。先程までやかましかった前室が宇宙空間にいるかの如く一瞬にして静まる。
悠「………は？」
やっと搾り取った一言が口から出るがやはり彼には親友の発した言葉が理解できなかった。
部下二人も唖然としている。進太郎は先程まで号泣していたはずなのに涙と鼻水が引っ込んで泣き腫らした赤い目を見開いている。彼らの姿をなんともなしに隆次郎は笑顔で巌の如く突っ立っている。
悠「……どういうことだ稲葉？桜羽はあの悪名高いマフィアの重要な参考人なんだぞ？」
隆「ああ、俺も詳しいことは知らないが彼女に釈放金が出たらしい」
悠「釈放金！？」
さらに驚愕する親友とその部下二名。桜羽ほどの犯罪者ならば相当の金が要るだろう。一体誰が…？
隆「俺はその彼女を迎えに来た！」
豪快にそう言い残して取調室に入っていく。前室に残された三人はマジックミラー越しで釈放されたことを告げる隆次郎と告げられた桜羽の一部始終を見ていたが、流石の桜羽も喜ぶことはなく唖然としていた。
隆次郎に引っ張られるがまま身を任せながら外に出ると長らく吸っていなかった＿＿わけではないが、シャバの空気を吸い桜羽はやっと気が付く。
桜羽の目の前には自分が庇ったはずの深弥、風螺、日和が立っていた。
風「やあ、桜羽。元気にしてたかい？といってもそんなに警察署にいたわけじゃないか」
さわやかに軽口をたたく風螺の横で土方兄妹が呆然としていた。
桜「まさか君たちが釈放金を…？」
深「君『たち』じゃない」
そう言うと深弥は盛大にため息を吐く。
深「……風螺が全額支払ったんだ」
風螺と隆次郎、それと事情を知っている兄妹以外のその場にいた全員が石造のように体が固まってしまった。隆次郎の後を追った悠佳たちもその一言を聞いて固まってしまっている。今日だけで、しかもこの短時間だけで二度目だ。
深「信じられないだろうが本当らしい…俺も半分以上理解できていないんだ」
その当事者である風螺はその場に似つかわしいくない笑顔で佇んでいる。
風「あ、実は僕たちが力ずくで桜羽を取り戻すとか考えてた？残念でした〜正解は正攻法で桜羽を助けるでした〜！だって僕と日和ちゃんは異能力を返してもらってないからね。それじゃ土方君が大変でしょ？」
風螺と隆次郎を除く一同は同じ言葉を頭の中でつっこんだ。
違う、そうじゃない。
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とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» 可愛いと思います！めっちゃ童顔なんで( ´艸｀) (2018年8月2日 20時) (
レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風螺かわいいイメージが湧く(´∀`) (2018年8月2日 19時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！！！私もそのようなコメントを頂きとても活が出ます！！今後ともよろしくお願いします！(*´ω`*) (2018年8月2日 19時) (レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - これからの展開にワクワクさせられます！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりっぴー | 作成日時：2017年11月2日 22時
