２７話 勝手にしたことでしょ？ ページ34
悠「なあ、桜羽さん」
桜羽から嫌な汗が落ちる。しかし、焦らず冷静に刑事の問いに対応する。
桜「ひ、人違いなんじゃないんですか？ボクはそんな名前じゃありませんよ」
悠「ほう、しらばっくれるか。いいだろう。だが、こちらには証拠があるんだ」
そういうと、陽菜がビデオカメラを持ち出してきた。ビデオカメラに撮られていたビデオを再生する。するとその中には子供たち４人と、そこに現れたスーツ姿の大人たちが映し出されていた。
一部始終。全部撮られていた。これで事情聴取の時言った言葉が全て泡になってしまった。
悠「誰がこんなものを撮ったのか知らないが、俺たちがあの建物の中を調べたらこれが見つかってね、再生してみるとこのような有様だったってわけだ」
これではもう言い訳できなかった。
悠「で、ここに映っているのは君たちのようだがどう言い分けつける？」
そうだ、何も桜羽ばかり悪いわけではない。異能力とはいえ刀を所持している深弥や桜羽をかばって嘘の証言を吐いた風螺、日和も罪になる。
再び窮地に陥る４人たちに短いようで長い沈黙が訪れた。
桜「ねえ、一つだけお願いしてもいい？」
意を決したかのように桜羽は言葉を紡ぐ。
桜「……ボクが…ボクが捕まればほか三人を見逃すって約束してくれる？」
子供たち三人は言葉を失う。
日「そんな…！」
桜「君たちはボクに、マフィアマスティマの構成員であるこのボクに用があるんでしょ？」
マスティマという言葉に三人は聞き覚えがあった。マスティマとは世界中に存在する謎の組織である。誰もその存在を見たことがなく、しかし誰もがこの噂だけは知っていた。『国を一つ亡ぼすだけの武力がある』と。マスティマとはヘブライ語で敵意を表す言葉。その名の通り全人類の敵意であり誰もが目にしていないが故に長い間恐れられていた。その謎の組織の構成員である桜羽を捕まえることで世界中の敵意と少しでも正面から対峙することができる。国民を守るものとしてそれは願ってもないことだった。
悠「いいだろう、君たちは見逃してやる」
陽菜の誘導に大人しく従う桜羽の背中に納得できない深弥が啖呵を切る。
深「ふざけんじゃねえぞ桜羽！もしかして俺たちがお前を庇ったとでも思ったのかよ！？」
桜「思ってないよそんなこと。君たちが勝手にしたことでしょ？ボクはそんなことされなくても自分でどうにかしていた。自惚れも大概にしてよね」
そう冷たく言い放ち桜羽の背中はどんどん遠ざかっていった。
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とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» 可愛いと思います！めっちゃ童顔なんで( ´艸｀) (2018年8月2日 20時) (
レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風螺かわいいイメージが湧く(´∀`) (2018年8月2日 19時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！！！私もそのようなコメントを頂きとても活が出ます！！今後ともよろしくお願いします！(*´ω`*) (2018年8月2日 19時) (レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - これからの展開にワクワクさせられます！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりっぴー | 作成日時：2017年11月2日 22時
