１７話 母 ページ21
予想以上に重い話になり風螺は思わず手を口に当てる。
風｢あ…いや、つらい過去を思い出させてしまったね…ごめん」
深｢…ああ、いいんだ。別に何も気にしてないから。俺のほうこそ辛気臭い話してしまってごめんな｣
深弥は何も気にしてなさそうに優しく微笑んで言った。しかし、あの暗い顔と暗い声でどれだけつらかったことか全てじゃないが見てとることができた。
深｢でも、そうだな…お母さんの作る料理は最高にうまかったよ｣
懐かしそうに目を細めてそう言った。
日｢私はまだ赤ちゃんだったからお母さんがどんな人だったか覚えてないよ」
深｢そうだったな｣
微笑みあう兄妹。
桜｢君たちのお母さんは優しかったんだね」
うらやましそうに桜羽が言った。
桜｢ボクのお母さんはボクを殺そうとしたんだ」
日｢えっ……」
談笑していた兄妹の口が思わず止まってしまった。風螺も驚きを隠せなかった。
桜｢ボクが小さい頃は優しかった。一緒に散歩とか遊んだこともあった。でも、突然ボクを絞め殺そうとしたんだ。…その時のあの目は怖かった、とても…」
あの日、突然豹変したお母さんの大きな目。まるで蛇が獲物を捕らえたようなあの目。感情がなかった。とても冷たい眼差しだった。
桜｢ボクは必死に抵抗して死に物狂いでお母さんから逃げた。心臓が止まりそうなほどに必死で走ったんだ」
三人は息をのんで話に聞き入っていた。
桜｢そして、体力も尽きて倒れた矢先、ある人がボクを助けてくれたんだ…それが、今ボクが所属しているマフィアのボスだよ…それからボクの運命は変わったんだ」
風｢それじゃあ君、これからどうするつもりなんだい？」
桜｢そうなんだよね。君たちを助けてしまった以上、ボクはあの世界には帰ることはできない。でもいいんだ。これはボクが決めたことなんだから」
そして、桜羽は背伸びをする。
桜｢正直、あの血生臭いところは嫌気がさしてたんだ。狂った人しかいなかったし。…それと」
桜羽は日和に向き直って言葉を続けた。
桜｢あの時、芝居だったとはいえいきなり手刀を食らわせてごめんね」
日｢いいえ、あの直前桜羽さんの本性をテレパシーで聞いてましたから」
日和は優しくそう言った。
深｢銃声の音が聞こえたからてっきり撃たれていたのかと思ってたぜ｣
桜｢あれは、敵を欺く発砲だよ」
桜羽は不敵にそう言った。
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とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» 可愛いと思います！めっちゃ童顔なんで( ´艸｀) (2018年8月2日 20時) (
レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風螺かわいいイメージが湧く(´∀`) (2018年8月2日 19時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！！！私もそのようなコメントを頂きとても活が出ます！！今後ともよろしくお願いします！(*´ω`*) (2018年8月2日 19時) (レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - これからの展開にワクワクさせられます！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりっぴー | 作成日時：2017年11月2日 22時
