１６話 正直世界観とか考えてなかった ページ20
桜羽に案内されて、敵に見つからない最善の道を通りながら深弥たちは建物の外に出た。
そして、その建物から少し離れた場所でスマホで警察に通報し、現在取り調べを受けている最中だった。当初の予定どうり、あくまで「全員が被害者」という設定である。
土方兄妹、桜羽、風螺親しい友人で何も知らず建物の周辺で遊んでいたら偶然、誘拐現場を目撃し、何事かと追っていったら、背後から殴られ気絶し気が付いたらこの建物の中にいた。しかし、何とか脱出し、逃げようとしたところボスの国後蒐が襲ってきたので、近くにあった鉄パイプで正当防衛し、撃退して建物内からの脱出に成功したのである。というなんとも嘘くさい話である。しかし、風螺と日和の嘘泣きなどの演技で何とか取り調べを受け持っていた警官を騙すことができた。もちろん、桜羽が深弥たちの誘拐に手を貸したことは黙ってある。桜羽は最終的に深弥たちに手を差し伸べたのだ。桜羽の助けなしに今の現状はありえなかった。
取り調べから解放されると、マフィア『惡の華』の構成員が大人しく警察車両に運ばれていく姿を目撃した。その中に、ぐったりしている国後蒐の姿もあった。
風｢さぁて、これからどうしよっか」
先程まで瀬戸際に立たされていたというのに、風螺は飄々とした口調で言った。
日｢そうですね。私は一応帰る家はあるのですが、皆さんはどうなんですか？」
この世界では家がないことは珍しくない。仕事についても、それに似合った金額が貰うことができないからだ。だから、家や車に貢ぐことは到底無理な話である。一日の食費だけで精一杯なのだ。家も車もあるということは、それだけ仕事が充実した環境だということだ。
風｢んー、数年前まで家はあったんだけど、売り払っちゃったからなぁ」
日｢え、どうしてですか？」
風｢家の整備とか掃除とかでお金食っちゃうじゃん？だったら、家をお金に換えて食費だけに使たほうがマシかなって思って。…そういう土方君はどうなの？君たち兄妹なら一緒に住んでたんじゃないの？というか家族は？」
深｢家族は…母親は、俺たちがまだ幼い時に火災事故で亡くなった。父親は俺が物心ついたときはいなかった。…多分、俺が生まれる前に家を出て行ったか他界したか…｣
深弥は目の下に影を作りうつむいた。
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とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» 可愛いと思います！めっちゃ童顔なんで( ´艸｀) (2018年8月2日 20時) (
レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風螺かわいいイメージが湧く(´∀`) (2018年8月2日 19時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！！！私もそのようなコメントを頂きとても活が出ます！！今後ともよろしくお願いします！(*´ω`*) (2018年8月2日 19時) (レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - これからの展開にワクワクさせられます！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりっぴー | 作成日時：2017年11月2日 22時
