９話 妖艶な ページ12
日｢どういうこと…？」
日和が聴いた透き通るような女の声。その声は「あの二人、案外しぶといな」。その一言だけ発していた。
まだ、「強いな」だったらわかる。褒め言葉としてでも受け取れるからだ。しかし、しぶといだけでなく「あの二人」と指名している。この戦闘で目立った動きをしている二人とえ言えば深弥と風螺だけしかいない。
そしてこの透き通るような女の声、その持ち主は＿＿
桜｢大丈夫、日和ちゃん？」
日和は一歩後退る。
桜｢どうしたの？」
桜羽は聖母のような笑顔を浮かべ、優しげな声を崩さない。日和はそれに恐怖すら覚えた。
日｢桜羽さん…貴方＿＿！」
そこで、日和は意識を手放した。
✧ ✧ ✧ ✧ ✧ ✧
風｢…ふぅ、なかなか相手さんもやるねぇ」
風螺は頭から血を流し片目に流れたその血を手の甲で拭いながら言った。
強さ的にはこちらのほうが上回っている。しかし、数はあちらのほうが圧倒的有利。体力には限界はある。それが先に来るのはどう考えても自分たちのほうだった。
深｢もう、ここまで来ちまったんだ…今更、後戻りなんてできない。ならば、この命尽きるまで倒すまでだ…！｣
深弥が一歩、相手に向かう。その時。
ﾊﾟﾝｯﾊﾟﾝｯ!
後方から発砲音が聞こえた。
？｢君たち、なかなかやるじゃないか。少し見くびっていたよ」
透き通るよく聞こえる声。深弥と風螺は聞き覚えがあった。二人は同時に振り返る。
深｢日和ッ！｣
その声は悲鳴に近かった。後ろを振り向くと桜羽と一緒に隠れていたはずの日和がうつ伏せに倒れている。返事はない。そして、その隣に立っているのは桜色の髪をなびかせる桜羽だった。彼女の手には銃が握られている。
深｢てめぇ…日和に何をした……｣
その声は、怒りに震えている。
桜｢…なにって、少しの間寝てもらっているだけさ」
彼女が握られた銃には硝煙が立ち込めていた。
桜｢日和ちゃんの異能力は厄介でね、すぐバレてしまったよ。というか、君たちにももうバレちゃったし何の意味もないけどね」
深弥は聞く耳を持たなかった。すぐさま剣を構え、彼女に斬りかかろうとする。
桜｢おっと、いいのかい？君がボクを斬るっていうのなら、ボクはこの銃で君の妹を殺すことだってできるんだよ」
深｢……ッ！！｣
桜｢君たちがおとなしく、なにも抵抗せずボクたちに従っていれば彼女には何もしないよ」
桜羽は美しく怪しげな笑みを浮かべそう言った。
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とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» 可愛いと思います！めっちゃ童顔なんで( ´艸｀) (2018年8月2日 20時) (
レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 風螺かわいいイメージが湧く(´∀`) (2018年8月2日 19時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
とりっぴー(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！！！私もそのようなコメントを頂きとても活が出ます！！今後ともよろしくお願いします！(*´ω`*) (2018年8月2日 19時) (レス) id: d877de1a29 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - これからの展開にワクワクさせられます！ (2018年8月2日 18時) (レス) id: 8a96e91b77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりっぴー | 作成日時：2017年11月2日 22時
