【22球目】ドクンッ ページ38
私は、消毒液やガーゼを直しながら話をつづけた。
不二君は時々相づちを打ちながら私の話を聞いてくれた。
『それでね!そのニャンコ、ウメちゃんっていうんだけどね...ってごめん!不二君まだ部活中だったね話長くなちゃってごめんね』
「ううん、謝らないでAちゃんと2人きりで話ができて楽しかったよ」
優しい笑顔でそう話す不二君に不覚にも少しドキッとしてしまった。
私は勘の鋭い不二君に悟られないよう話題を急いで変えた。
『そ、そいえば試合はどうだったの?』
「もちろん勝ったよ」
『さすが不二君!今回もレギュラー入りは固いね』
「そうだといいね」
『絶対そうだよ!そうに決まってる!』
「じゃあ、もしレギュラー入りしたら試合見に来てくれないAちゃん?」
『えっ!別にいいけど...行くだけでいいの?』
「うん、Aちゃんが来てくれたら元気出るから」
『そぉ〜〜??』
不二君の言葉に私は考え込んだ
「うん、それにAちゃんがいてくれたら負けないと思うんだ」
『なんで??』
「キミの前でカッコ悪いところは見せられないからね」
微笑みながら不二君はそう言った
心臓がドクンッと脈打ったような気がした。
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作者名:おりひめ | 作成日時:2020年1月26日 16時