【6球目】心臓に悪いっ!! ページ21
『大丈夫だけど、2人とも笑いすぎ』
2人はプルプルと体を震わせながら笑いをかみ殺していた。
「あはは、ごねんごめんあまりにもキミの驚きようが面白くて。そんなに名前を呼ばれて驚いたの?」
『ううっ、だ、だって...男の子に下の名前で呼ばれるなんてあんまり経験なくて...』
図星をつかれた私は素直に話した。ちなみに菊丸君はまだ笑っている。
「じゃあ、僕が初めてってことだよね?」
『え゛っ!?そ、そうだねぇ〜』
動揺した私の言葉は棒読みになってしまった。
そんな私に近づき不二君は
「安心して。すぐ慣れるようにたくさん呼ぶつもりだから...よろしくAちゃん」
『っ!!』
「あー!不二ずるーい!俺も呼ぶもんねっいいよねAちゃん?ダメかなぁ?」
『ダ、ダメってわけじゃないけど...』
「じゃっ、いいよねっ、ねっ??」
そう言いながら机を通り越さんばかりの勢いで近づいてくる菊丸君に対し今更ダメと言えるはずもなく私は...
『...う、うん。いいよ』
と答えてしまった。
「やったーー!!」
「よかったね、英二」
至近距離でちゃん付けで名前をよびながら微笑む不二君と、無邪気な顔で距離が近い菊丸君どちらも心臓に悪いっ!!
ほんの数分しか会話をしていないが、私は1年間心臓がもつか不安になった。
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作者名:おりひめ | 作成日時:2020年1月26日 16時