(過去編12)手塚君からのお願い6 ページ13
「俺は、四月からはテニス部の部長も務めさせてもらう予定だ」
手塚君は、まっすぐ私の方を見ながら話し始めた。
「青学は、強豪校といわれているが近年、全国へは中々行けていない。青学を全国へと導き優勝を果たすことが部長としての責任だと、俺は考えている。もちろん会長としての仕事をおこたるつもりは毛頭ないが、どうしても生徒会の方がおろそかになってしまう可能性が出てくるだろう。そうなった時のために信頼のおける副会長が生徒会にいてくれるとありがたい。身勝手な話だが、そう考えた時副会長には高倉、お前しか浮かばなかった」
まっすぐ私の方を見ながら話す手塚君の言葉はとてもまっすぐだった。
普段、あまり多くを語らない彼が話してくれたことからは、部長としての重み、苦悩、覚悟が感じられた。そんな彼の"手助けしたい"と私は強く思った。
『私は、手塚君の手助けをしたい!けど、本当に...私なんかでいいの...?』
「先ほども言っていたが、"なんか"ではない。高倉、お前だからいいんだ。」
手塚君が言ってくれたその言葉は今までもらったどの誉め言葉よりもうれしかった。
今にもあふれ出てきそうな涙を必死で我慢して私は言った。
『ありがとう、これからよろしくね!てづk、ううん、会長!』
「ああ、こちらこそよろしく頼む、副会長。」
そう言った手塚君の顔は優しい顔をして微笑んでいた。
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作者名:おりひめ | 作成日時:2020年1月26日 16時