(過去編11)手塚君からのお願い5 ページ12
いったいどれぐらい時間がたったのだろうか二人の間に重い沈黙が続く...
沈黙を破ったのは手塚君だった。
「高倉、俺は...」
『ぷはっ!はぁーはぁーはぁーはぁー』
「っ!?」
私は緊張のあまりどうやら無意識に息を止めていたらしい。
あやうく三途の川を渡るところだった。
「大丈夫か!?」
『ふぅー、ごめんごめん息止めてたみたい。ちょっと深呼吸するね。』
深呼吸をして落ち着いたところで私は手塚君の言った言葉を思い出し、叫んだ。
『ふ、ふふふふ副会長ぉぉーーー!?私が!?正気!?正気なの手塚君!?』
「ああ、正気だ。」
『む、む、無理だよ!私なんかじゃ副会長は務まらないよ!?成績もそこそこだし、手塚君みたいに皆を引っ張っていく力もカリスマ性も持ち合わせていないし、何より私なんかじゃ足手まといになるだけだよ!?』
正直、手塚君に頼ってもらえたようでうれしかったし、誇らしくもあった。
だけど、私は昔から自分に自信が持てなかった。
そんな私には、副会長は務まらないと思った。
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作者名:おりひめ | 作成日時:2020年1月26日 16時