恋模様 (ページ10)

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翔太くんの言っていた“かな“

みんなの友達の“かなちゃん“

果たして同一人物なのだろうか。

『ちょっと！この間翔太が急にいなくなるからAと2人であの量食べるの大変だったんだから』

『ごめんってば！でも美味かったんだろ？』

それなら良かったじゃんと翔太くんは言うけども

全くもってよくない！！

この間の花見の一件からわたしは

例の“かな“が気になって仕方ない。

どっかで聞いたことあるって思ったのは

たまにみかが口にしていたからだった。

翔太くんに夢中なわたしは全く聞いていないなんて

ホントにバカだと心底思った。

『A～！とりあえず来週の土曜日に集まるので決定したからね』

ちょっとA聞いてる？

みかに肩を叩かれてハッと気付いたのだった。

『う、うん』

から返事のような気持ちがない返事をしたまま

またぼーっと窓の外を見始めた。

目の前に翔太くんがいるのにも関わらず全く見れない。

翔太くんを見たらきっと泣いてしまう気がして。

自分ってこんなに弱かったっけ。

まだ“かな“が彼女なんて決まったわけではないって分かってる。

けど翔太くんを見てると、

こんなに近くにいるのに

あなたの中にはまだまだ入り込めないんだと

虚しくなるから。

それだけあなたから抜け出せなくなっている証拠。