恋模様 (ページ9)

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メールの受信先は“かな“だった。

かなは高校のツレでありふっかの彼女。

高校の時から俺はかながずっと好きだった。

かな、みか、涼太、ふっか、俺の5人でつるむ事が多く
その中でも表情が豊かなかなに惹かれていったのだ。

結果ふっかと付き合う事になり

俺は自分の気持ちをしまったまま今に至る。

『翔太来てくれたんだね』

『急にあんな連絡よこすから何かあったかと思ったじゃねーか』

『ありがとう、翔太』

決まったように抱きついてくる。

かなは寂しくなると俺を呼ぶんだ。

去年の秋頃にふっかとの仲がうまくいかずに

何度か相談を受けていた。

かなは寂しくて俺に抱いて欲しいとねだった。

最初はふっかのこともあるし断ったが

感情に負け、この関係がずっと続いている。

『お前最近なんで来ねぇんだよ』

『だってふっかが2人で遊びに行きたいってゆうから』

『仲がいいこと』

嫌味っぽく言えばベッドの中で

俺の背中に細い腕が巻き付く。

『ヤキモチやいてるんでしょー』

かなは仕返しかのように意地悪く言った。

自分でもこんな関係正当じゃないし

終わらせたいって思ってるのに

かなが好きな気持ちが強く

ずるずると時間だけが過ぎていく。

ただ言えるのは幸せなんだ、俺。

かなが好きだから……。