恋模様 (ページ50)

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翔太くんが席を立った後に店員さんがテーブルにきた。

『本日はクリスマス限定でデザートメニューはこちらからお選び頂けますのでまた後ほどお申し付け下さい』

『ありがとうございます』

店員さんから渡されたメニューを開いたらわたしの好きないちごばかり。

『わぁーどれも美味しそう』

ひとりなのについ声が漏れてしまった。

『こちらはお連れ様からのご要望でしたよ』

翔太くんわたしがいちご好きなの覚えててくれたんだ。

『翔太くん、デザート選べるみたいだよ！』

彼が戻ってきたと同時にメニューを広げた。

『あぁ……』

『電話大丈夫だった？』

『あ、うん大丈夫だよ』

ふたりででデザートを選んでまた続きの料理を食べた。

でも翔太くんは話していてもなんだかぼーっとしている。

『翔太くん？』

電話から帰ってきてからなんだかうわの空みたい。

『あ！美味しいね、これ？』

なんだか胸さわぎをを感じはじめた。

これは前にも感じた胸の奥がモヤモヤとして苦しい気持ち。

息をスーッと吸い込む。

『翔太くん気になるなら行ってきていいよ』

『え？』

『電話かなちゃんからじゃないの？』

確信をつくために勇気を出して聞いた。

『……』

『そんな気持ちのまま一緒にいるの嫌だもん』

行かないで……。

『……Aごめん。』

行かないで……。

『その変わりデザートまでには戻ってきてね』

行かないで……。

『ほんとにごめん、すぐに戻るから』

願いは届かず翔太くんは席を立ち走って行った。

『これで良かったんだよね』

『すみません、デザートもらえますか？』

『お連れ様戻ってきてからでも』

『大丈夫です。お願いします』