恋模様 (ページ47)

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作戦を考えたのは千賀くん。

『こんな夜景と美味しい料理出てきたらもうイチコロでしょ』

と言って出してきたのは有名なレストランのパンフレット。

大学生の自分が行くような場所ではないことは重々承知だ。

『こんなとこ場違いじゃないっすか？』

『大丈夫！それらしい服着てけば。あとは金だな。バイト頑張れ(笑)』

千賀くんは言うだけ言って、あとは人任せ。

でもなんだかかんだ優しい。

『A喜ぶかな……』

パンフレットを見ながら帰り道を歩く。

『ょうた……翔太！！』

夢中になりすぎて歩いていたからかなり驚いた。

『んだよ、涼太か。びっくりさせんな』

『すんげー夢中だからさ』

バイト帰りに涼太に会うなんて滅多にない。

『お前珍しいな、こんな夜に。どっか行ってた？』

『みかとご飯行ってた』

『は！みかと付き合ってんの？』

『なわけないだろ。みかは彼氏と別れたみたいだけど』

だよな。俺がこんなに時間かかってんのに涼太はサクサクと事が進むなんて。ありえない！(笑)

『てかさっきからなに夢中になって見てんの？』

『いや、これさバイトの先輩が持ってきてくれて』

パンフレットを涼太に渡す。

『いいじゃん！Aちゃん好きそう』

『は？なんで？！』

ずっと一緒にいればお前のことだいたい分かるなんて薄気味悪い笑顔で言われてぞっとした。

『俺もさ、お前とAちゃんのこと見てたらちゃんと思い伝えなきゃなって』

涼太は隠してたけど高校からみかが好き。

なんだかんだ俺も涼太のことはだいたい分かる。

『お互い頑張ろうぜ』

なんてすっげーくさい台詞を吐いた涼太だったけど今まで一番かっこよく見えた。