恋模様 (ページ43)

今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:91,057 hit

43 ページ43

みかとはあれ以来仲直り出来ずにいる。

ハァーとため息をつきながらトボトボと歩いていた。

『Aちゃん！』

大きい優しい声が響く。
振り向くとそこには涼太くんとみか。

『今日翔太居残りさせられててさ、一緒に帰れないみたいで……』

『そうなんだ。』

みかの顔が見れず涼太くんと話す。

『でさ！こいつ暇らしいから一緒に帰ってやって』

『あ、え！？……』

どうしよう。

『A……良かったら一緒に帰らない？』

わたしに断る理由はなかった。

ふたりぎこちなく歩き始める。

どうしてこうも不器用なんだ、わたしって。

せっかく仲直りできるきっかけ作ってもらったわけだし……

『『あのさ！！』』

ふたりの声が重なる。

『あ、みかからどーぞ』

『いやAから』

また沈黙が続く。

『『あのね！！』』

『『ふふふふ』』

ふたりの声が重なりすぎてお互い笑い始める。

『わたしたち声かぶりすぎ(笑)』

『ほんと(笑)』

咳払いをしたみかは話し始めた。

『A、この間はごめんなさい……

Aに軽蔑されるのがこわくて言い出せなかったんだ……何でも話そうって言ってたのにごめん』

『ううん、話してくれてありがとう』

頼りないけどこれからはわたしも頼ってね。

飛びっきりの笑顔を見せる。

『なんか翔太がAを好きな理由が分かった』

突然のみかの言葉はわたしの胸を高鳴らせた。