恋模様 (ページ42)

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彼氏と喧嘩した。もう別れて欲しいと。

薄々気付いてたんだ自分も。

最初は既婚者なんて知らなかった。

彼とは大学に入学したくらいに行った合コンで知り合い意気投合し、付き合うことになった。

知らされたのは付き合って半年くらい経った時だった。

『嫁とは別れるから、お前が一番だから』

お決まりなフレーズを思わず飲み込んでしまった。

Aは追いかけてきてくれたけど、

不倫の事話してなかったし、軽蔑されるのがこわかった。

だからあんな事言ってしまったけどすごく後悔している。

謝れずに時間だけが経ってしまった。

『よっ』

『誰かと思ったら翔太か……』

『何がっかりしてんだよ(笑)』

屋上のベンチに座りひとりお弁当を食べていた。

『俺の大好きな可愛いAちゃんがお困りなんすけど』

『ヘタレなくせによく言うよ』

『Aも仲直りしたいって悩んでたよ。

お前のおかげでAが相談してくれたからありがたいんだけどな～』

相変わらずヘラヘラした顔を見せる。

『今日さ、Aと帰ろうって誘ったけど、この間の借り返してなかったから』

いつもお前に世話になってっからなと捨て台詞を吐き手をヒラヒラさせて扉を開けた。

『ありがとう』