恋模様 (ページ37)

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涼太くんに誘われてカフェに入る。

『最近みんなで集まる事なくなったからAちゃんとは久しぶりだね』

相変わらずやわらかい眼差しでこちらを見つめる。

『最近元気だった？』

涼太くんの醸し出す空気ってこんなにも癒されるんだな。

言葉ひとつひとつが優しい。

『んー。まぁまぁかな？(笑)』

注文したアイスティーにガムシロップを少しいれ

かき混ぜながらそちらに視線を置く。

『Aちゃんって好きな人いるの？』

ストローでアイスティーを飲んだ瞬間の唐突な質問に吹き出しそうになる。

少し挙動不審になりながらも口元をハンカチでおさえる。

『もしかして、翔太かな？って』

『え、あ……。

もしかしてみかから聞いた？』

『ううん、聞いてないよ。

Aちゃんが翔太と話してる時ほんとに楽しそうだからそうなのかな？って。』

俺の勘？と、彼に似つかないニヤっとした表情。

『翔太さ、優しいんだよ。

だからみんなが傷つかないようにっていろいろ考えてるんだと思う。

だけど器用じゃないからこんな風になってるんだよ』

長年一緒にいるから話さなくても分かることあるんだ。と涼太くんは微笑みながら付け加えた。

『わたしね、どうしたらいいか分かんないの。

……みかはずるく生きていいっていうけど。』

この人には話してもいいと思った。

『Aちゃんが翔太が好きってことを表したらいいんじゃないかな？』

『どうやって？』

『例えば、Aちゃんから何かアクションをおこす。抱きつくとか？(笑)例えばだけどね』

あはははとご機嫌に笑う。

『悩まずにもっと単純でいいと思う、俺は。
好きって気持ちだけで。』

涼太くんの言葉はすごく胸に響いた。