恋模様 (ページ35)

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彼が話し始めるのをじっと待つ。

『高校の時からかなが好きだった。

かなはずっとほっとけないやつで翔太翔太って俺を頼ってくれたんだ。

けどふっかと付き合うようになって俺は自分の気持ちは閉まった。

ふっかもかなも大事だったからね？

それから去年の秋頃にかなとふっかが喧嘩したんだ。
もう絶対に復縁できないぐらい。

かなはこの世の終わりくらい落ち込んで、

それからかなとの関係が始まった。

俺はそれでも良かった。

かな以上に好きになるヤツなんて現れないと思ってたから。』

わたしと一緒だ……

『けど、Aと会ってから変わった。

いつの間に俺はAの事が好きになってた。

だからかなとの関係も終わらせるつもりだったんだよ。』

嬉しいとせつない思いが交差する。

『でもな。俺、ずるいんだよ。Aが好きだけど、かなもほっとけない。』

翔太くんはブランコから立ち上がりわたしの前にしゃがんだ。

俯いているわたしを見上げるように。

『だから俺にまたチャンスが欲しい。

かなとの事をしっかり終わらせて
今度はAの事だけ見れるようになったら迎えに行くから。

でもその間にAに他に好きな奴ができたらそれはそれでいいから。

すげー勝手なこと言ってるって分かってる。
でも中途半端な気持ちだとまたAを傷つける。だからそれまで』

彼はしっかりとした口調で全て話しきった。

『分かった……』

『とりあえず友達をやり直ししよ？』

最後の言葉は少し震えていたように感じた。