恋模様 (ページ34)

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翔太くんの背中を見つめながら歩く。

『夜だとこんな静かなんだな』

『うん……』

『ひとりでよく歩いてんな、こわくない？』

『うん……』

『あのさ……』
と、翔太くんは後ろを振り返った。

久しぶりに見る顔にドキっとしないわけがない。

『ほんとはAとちゃんと話がしたかったんだ。』

わたしの帰り道、よく立ち寄る公園にきた。

嫌なことがあるとふらっと立ち寄る。

ブランコに座りゆらゆらと漕ぐ。

『はい』

翔太くんはわたしに冷えた缶ジュースを渡した。

『とりあえず飲む？(笑)』

大好きな笑顔でわたしの隣のブランコに座る。

久しぶりに見るこの笑顔にまだときめく。

もうこの人以外好きな人現れるのかな。

ブランコを少し揺らしながら口を開いた。

『あのさ、Aに全部聞いてほしくて』

息をのむ翔太くん。

ちょっと緊張しているのが分かる。

これから翔太くんが話すことが少しこわい。

真実を知ったらまた傷つきそうだから。

でも彼の眼差しは真剣そのもの。

『確かにかなと俺はそうゆう関係だった』

胸の鼓動が早くなる。

翔太くんがくれた缶ジュースを思い切り握りしめた。