恋模様 (ページ25)

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『はーい』

耐えきれずに玄関のドアを開けた。

『A大丈夫？』

ドアの前にいたのは

バイト先の先輩のさとみさんだった。

さとみさんを目の前にしたら

涙が止まらなくなってきた。

『さとみさん……』

『ちょ、Aどうしたの？！』

慌てて部屋に入ってきたさとみさんに抱きついた。

『落ち着いた？』

どれくらい泣いていたのかもわからない。

こんなに泣いたのなんて

小学生の時にお母さんと喧嘩した以来かも。

『ｸﾞｽ…うん…』

『話せたら聞くからね』

ﾎﾟﾝﾎﾟﾝと背中をさすってくれた。

『Aお腹空いたでしょー？キッチン借りるよ？』

ガヤガヤと鳴り響くテレビの騒音を聞きながら

ぼーっとしていた。

泣きすぎて頭痛い。

テレビの中では笑い声が響く。

今のわたしとは正反対。

『出来たよ～』

重い空気を断ち切るように

いい匂いが部屋中を包み込んだ。

さとみさんはわたしの大好きな

オムライスを作ってくれた。

『さ！食べよっ！』

『ありがとう……』

やっぱりわたしのオムライスは最高だね～

隣から自己満な感想が流れてくる。

オムライスを口にした。

空っぽの心を満たしてくれたオムライス。

『さとみさん。実は……』

今日一日で起こった話を打ち明けた。