恋模様 (ページ15)

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いい加減かなとの関係を

終わらせなければと思っていた。

ふっかに隠れて会っている事の罪悪感

そしてAへの気持ちが大きくなっていたからだ。

一緒にいる時間が長くなるにつれ

彼女が醸し出す空気や笑顔に魅了されていた

荒んでいた俺の心を晴らしてくれたのはAだった。

最近はAは悲しそうな顔をする事が多かった。

少しでも笑ってほしくて

あの時Aがしたいと言った花火を提案し、

いつものメンバーで集まった。

『Aはさ、花火の中で何が好き？』

『線香花火かな』

『昔さ、よく誰が最後まで残るかとかやったよね？』

みんなとは少し離れた場所でAと話していた

『しょーたー！花火やるよー』

『後で行く』

ふっかに向かって叫んだ。

『行かなくていいの？』

『うん。ふたりで線香花火1本だけやらない？』

そう言ってAを誘った。

『やっぱりきれーい！どっちが残るかな？』

笑顔で花火を見つめていた。

その顔が好きなんだ。

『やっと笑った』

『え？』

『Aは笑顔が一番。あんまりひとりで抱えんなよ』

真っ直ぐ見つめた彼女の瞳が揺れた。

『あーAの花火落ちた！俺の勝ちだね』

そう言ってAの顔を見た瞬間。

彼女の瞳から涙が流れたのを見逃さなかった。

『みんなのところ行こっか』

みんなに見つからないように

そっとAの手を握った。