恋模様 (ページ13)

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あの日の帰りにAから相談された

『わたし、翔太くんの事が好きみたい』

唐突なセリフに最初頭が追いつかなかった。

前から言ってた“イケメン王子“は

翔太のことだったみたい。

『かなってやっぱりかなちゃんなのかな？』

寂しそうな目で俺を見るその顔が

たまらなく胸を締め付けた。

『でもかなちゃんはふっかの彼女なんだろ？』

さすがに翔太でも人の女を

取るような事はしないと思うけど。

『とりあえず今のままでいたら？あんまり考えすぎるのはよくないよ』

Aを悲しませたくはないけど、

今俺が好きな笑顔を作れるのは

きっと翔太しかいない。

涼太なら何か知ってるかもしれない。

『照から話って珍しいじゃん』

『いや、翔太って女いるの？』

『急にどうした？』

涼太は勘がするどい。

俺の周りに翔太が人気でさ～とはぐらかしたけど。

Aの恋を応援するには

容易くバラしてはいけない。

『今のとこ特定の子はいないと思うけど、あれはきっと誰か好きなやつはいる』

『かなちゃん？』

ついつい名前を出してしまった。

『照するどいな(笑)』

涼太によると翔太はかなちゃんの事が

ずっと好きだったらしい。

やっぱりかなちゃんの事なのかな……。