恋模様 (ページ2)

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『A～おはよー』

大学2年の春を迎えようとしている。
1年の後半から仲良くなったみかと共に過ごす時間が増えてきている。

『おはよー！みか』

冬の肌寒さがなくなり一気に暖かさを感じる昼下がり。こんなに暖かいのに私に春が来る気配を全く感じない。

『今日帰りに駅前に新しく出来たカフェにパンケーキ食べに行かない？』

『あ、今日は彼氏と予定がありまして……』

気まずそうにわたしを見るみか。

『そんな目で見ないでよ(笑)大丈夫だよ！また行こー』

あぁ、わたしも彼氏ほしいなぁ。

そう風のようにつぶやいたのをみかは聞き逃さなかった。

『好きな人とか気になる人とかもいないの？こんなにいっぱい男いるじゃん』

周りをキョロキョロしながら言う。

『……実はさ。最近ちょっとイケメン見つけた』

『え！うそうそ！ちょっと教えてよ』

そう。実はこの間大学の食堂で滅多に見つけないイケメンを見たのだ。

見つけて以来よく見かけるようになったのだけれど周りには友達がたくさんいて全く近づけない。

そうみかに伝えた結果がこれである。

―食堂―

『ほんとに探しにくるとは思わなかった……』

ハァーっと大きくため息をつくがそんなことこれっぽっちも感じてない。

『いいじゃんいいじゃん！Aにも幸せになってもらいたいからねぇ～』

なーんて言いながら鼻歌を歌う。呑気だ。

『あ！！！！！』

『え？いたの？！！！』

あれ！と大勢の男女が群がるその団体の１人を指さした。

『あれ、翔太じゃん。』

『なに？知り合いなの？』

知り合いも何も同じ高校の友達らしく。なんで今まで遭遇しなかったのかと。

『翔太ー！！！』

わたしの手を引き翔太くんとゆう男の子の元へ歩き出した。

『ちょ、みか！』小声で抵抗するも無駄であった。