わたなべものがたり (ページ13)

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同期のわたなべくん　続ページ13

わたなべと付き合う事になり
一ヶ月が経とうとしていた

わたしにとって
初めての“彼氏“となったわたなべには
毎日気持ちを狂わせられている

『おはよございますー』

パソコンを起動させ、既に仕事をしていたわたしの上からわたなべの愛しい声がした

『渡辺、お前遅刻だぞ』

『すみません、でも俺の仕事もう終わってて
次の打ち合わせまで時間あるので』

なんて生意気な奴なんだ、とボソッとつぶやくと

『なんで置いてくんだよ』
と耳元で囁くわたなべ

『ちょ、今会社だからやめてよ。
みんなにバレるよ？』

『バレてもよくね？』

とニヤついた顔をしながらわたしの後ろを通り過ぎた。

そう、昨日はわたなべの家に泊まっていて

一緒に出勤すると会社のみんなにバレてしまうと思い

30分早くわたなべの家を出ていたのだ。

そんな事を思い出すだけで
顔が赤くなってしまうわたし。