続人間未満の瞳【HUNTER×HUNTER】 (ページ5)

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よんじゅうきゅう異変と、慣れページ5

部屋を出、Aは匂いのする方へ歩いていった。眠気も手伝ってその足取りはふらふらとしている。

Aは角を曲がった。
ぐっと血の匂いが濃くなり、目をしたに落とした。

視界にはバラバラになった男が2人。赤黒い血溜まりができている。切断面からは肉や臓器が飛び出ていた。血の匂いだけではなく、すっぱいようなむせ返る匂いもする。

Aは目が離せなかったが、頭の中が沸騰したように熱くなり、視界がぐらぐらと揺れ始めた。
これは自分の知らない感情なのか、ただ自分の身体がおかしくなったのか分からなかった。

悲しくはない。
苦しくはない。
たくさん今まで見てきたはずの血。
死なんてなんとも思わなかった。

ただ、この肉の塊のようとなった死体が、さっきまで自分と同じように息をして、眠たいとかお腹が空いたとか思っていたのだろうと考えると気持ちが悪かった。

Aの視界の揺れは激しくなり、体に力が入らなくなった、というより力の入れ方がわからなくなった。
そのまま倒れてしまいそうになった。
血溜まりの上に、さっきまで生きていた肉の上に。

気づいた頃にはもう体は斜めに倒れ、持ち直すことができなかった。

突然、後ろから引っ張られた。力の抜けた体は簡単に引っ張られた方向に動いた。

後ろに引っ張られ、そのまま誰かの腕の中にいた。
Aは一瞬、視界が真っ暗になったと思ったが、その誰かに目を伏せられているだけだった。

その誰か、は簡単にわかった。血の匂いよりも、死の匂いよりも、はるかに強く、自分の身体に馴染んでいる匂い。

「…………ヒソカ、」

目は隠されているが、微妙な空気の変化だけで
ヒソカが微笑むのがわかった。

「A、駄目じゃないか。もう寝る時間だよ。
Aだってもう眠たいはずだ」

「…うん」

安堵からなのか、さっきの身体の異変はなくなり、次はAを眠気が襲った。
だんだんと意識が遠のいていく。

「Aはまだ慣れていないんだね。慣れるようにしなくちゃなぁ……」

ヒソカの乾いた声は、遠のく意識の中でも聞こえた。

慣れるって血のことだ。肉のことだ。死のことだ。
慣れるためにたくさんこれから見せられるのかな。
それとも私がするのかな。

いつのまにかヒソカはAを抱きかかえていた。死体から離れるようにヒソカは歩き出した。

ーーー
遅れてすみません！(毎回言ってる
頑張りますーーーー！！！！

もう少しで更新できそうです、、！