今日はこんな日2 (ページ10)

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北斗side

あれからAはずいぶん大人しく約束を守って大人しく部屋から出ようとすることもなく、ベッドに横になってずっとゲームしてるみたい。そのおかげで相当回復した。

北「立てる？」

『うーん』

北「トイレ行くんじゃないの？」

『これ終わったらぁ…』

北「ゲーム終わってからナースコール押してくれない？」

でもナースコールで呼ばれればトイレに車椅子で連れて行ってってお願いされるし、

北「食べられそう？」

『ううん…ほっくんが』

北「ゲームできるんだからフォーク持てるよね？」

『じゃあいらないごはん』

北「だぁ！分かったよ」

食事を配膳すれば、手震えちゃうかもって言ってアーンしてもらおうとする。最初はもちろん寝ててくれるのがありがたくて、全部手伝ったし、それで良かったんだけど、だんだん復活するにつれて、できれば少しずつ頑張ってみてほしいのがこちら側の気持ち。

そんなこと知ったこっちゃないAは樹に借りたらしいゲームに夢中で、起き上がりたい！って焦ってた気持ちはすっかりどこかへいって、頑張る気もなく甘えきっている。

ジ「そろそろ離床のリハビリはじめようね」

『…えー…まだいい…』

ジ「なぁんでよ！まだいいじゃないよ！！(笑)」

『あれかも、まだ横になってる方がいいかも』

ジ「ちょっとずつ起き上がる練習しようよ！』

『えぇ〜』

ジ「お外行きたいんじゃなかった？」

北「うわあ…見たことあるこれ…いざとなるとやる気ださないやつ…」

無理に頑張るのを止めるのも、頑張るべき時にやろうとしないのも、もう何度も経験済み。こうなることはね、みーんな薄々勘付いていたのよ。どっちも大変なんだよ…本当にやめてほしい。

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